2022.11.28
お役立ちコラム 太陽光
セカンダリー物件の売買ついて徹底解説
みなさん、こんにちは。
久野商事の久野でございます。
近年、世界中でSDGsの普及活動が報道されてますが、再生可能エネルギーが注目されているのをみなさんはご存じでしょうか。
再生可能エネルギーの中でも太陽光発電は参入がしやすく、企業や投資家から人気を集めています。
特に注目を浴びているのが太陽光発電所のセカンダリー市場になります。
セカンダリー市場とはセカンダリー物件の販売所のことを指し、買主にも売主の両方にメリットがあります。
今回はセカンダリー市場で太陽光発電所を売買する際の注意点や重要ポイントについて説明していきます。
目次
セカンダリー市場が注目される理由
なぜ、セカンダリー市場が注目されているのか説明していきます。
固定買取価格
2012年に制定された再生可能エネルギーの普及を目的としたFIT(固定買取価格制度)ですが、買取価格が少しずつ下がっています。
また、2022年には低圧太陽光発電所の全量売電がFIT対象から外れました。
セカンダリー市場ではFIT認定された低圧のセカンダリー物件が多く販売されており、低圧太陽光発電で全量売電の売電収入を目的とした投資家や自家消費用に購入する企業が増えています。
低リスク
セカンダリー物件は既に稼働済みの発電所のため発電実績があります。
新規の太陽光発電所と比べて、現実的な損益シミュレーションがしやすいため、銀行などからの融資も受けやすく、リスクの少ない低リスク資産として注目されています。
セカンダリー物件を購入するメリット
次にセカンダリー物件を購入するメリットについて説明します。
短期収益化
新規の太陽光発電所を稼働する際は土地探しから部材購入や各種申請と設置工事といったいくつかの手順を踏んで進めていく必要があります。
一般的に申請から売電開始までは約1年ほどかかりますが、セカンダリー物件は既に稼働しているため、売買契約後、すぐに売電開始することができます。
収益予想
太陽光発電所を設置する場合、事前に発電量のシミュレーションをおこない収益を予想します。
原則、予想の精度は業者によって異なりますが、発電量が少なくなるケースがあります。
一方でセカンダリー物件は既に稼働しており、これまでの発電量がデータとして残っています。
過去の実績から明確な収益予想ができるため、金融機関からの融資が受けやすくなります。
売電価格
固定買取価格は事業認定された年によって決定されます。
FIT制度が導入された2012年の低圧物件の固定買取価格は40円でしたが、固定買取価格が少しずつ下がっており、2021年度には12円と2012年の半分以下となりました。
セカンダリー物件は既に稼働している太陽光発電所のため、稼働開始当時の固定買取価格で売電することができます。
セカンダリー物件を購入するデメリット
次に購入する場合のデメリットについて説明します。
短期間の固定買取年数
太陽光発電の固定価格期間は20年になります。
事業認定を受けた時期が早い場合、固定買取価格は高くなります。
逆に古い太陽光発電所は固定買取年数は短くなります。
固定買取年数が満了後も売電を行う場合は、新たに電力会社と契約を行う必要があります。
基本的に固定買取価格よりも安くなるため、セカンダリー物件を購入する際は固定買取価格と固定買取年数のバランスを比較することをおすすめします。
立地とメンテナンス
新設の太陽光発電は造成や施工に不備がない場合は基本的に状態が悪いということはありません。
しかし、セカンダリー物件は地盤や立地に問題があったり、経年劣化で発電効率が低下している物件もあります。
該当したセカンダリー物件を購入した場合は、購入費用に加えてメンテナンス費用も必要になります。購入する際は十分なメンテナンスが施されているか必ず確認することをおすすめします。
セカンダリー物件を購入する際の注意点
ここではセカンダリー物件を購入する際の注意点について説明します。
近隣トラブル
太陽光発電所は太陽光パネルの反射光やパワコンの騒音や発電所の雑草による獣害や虫の大量発生など様々なトラブルを引き起こすことがあります。
セカンダリー物件を購入する際は近隣の状況と過去のトラブルの有無を確認しましょう。
地盤と設備状態
地盤の緩い土地は自然災害によって地盤が沈んだりすることがあります。
例えば、架台が傾きパネルの角度が変わってしまい発電率が下がることがあります。
そのため、購入後に地盤や設備状態の不備があるとメンテナンスが必要になります。
購入費用とは別途でメンテナンス費用が発生するため、地盤や設備の状態を事前に確認しましょう。
固定買取価格・年数
セカンダリー物件は既に稼働中の発電所のため、固定買取年数が短いことがあります。
セカンダリー物件を購入する際は固定買取価格と固定買取年数を加味してシミュレーションすることをおすすめします。
太陽光発電所を売却するメリット
ここでは太陽光発電所を売却するメリットについて説明します。
売却益
半導体不足により太陽光パネル、パワコンや架台などの部材が高騰しているため、新設の太陽光発電所設置が減少しています。
さらに固定買取価格が低下していることもあり、セカンダリー物件の需要が上がっています。
そのため、販売価値が大幅に下がることなく、高い売却益を獲得できる見込みがあります。
ランニングコスト
太陽光発電所は維持費用がかかります。
太陽光発電所を売却して維持費用をなくすことができます。
太陽光発電所を売却するデメリット
次に太陽光発電の売却に関するデメリットについて説明します。
税負担
太陽光発電所の売却は「売却益-(購入金額-減価償却費の累計)」がプラスの場合は税金が掛かります。
節税や電気料金削減
太陽光発電所の購入費用は減価償却で経費に計上できます。
また、法定耐用年数の17年間も経費として計上できるため、長期的な節税ができ、
他にも自家消費で利用していた場合は電気料金の削減にも繋がります。
太陽光発電所を売却する際のポイント
次に太陽光発電所を売却する際のポイントについて説明します。
発電実績と固定買取年数
発電実績と固定買取年数は販売価格の決定に関わる重要な項目となります。
発電実績から過去の発電量が把握できるため、購入者が条件の良い太陽光発電所か判断するポイントになります。
また、固定買取年数は売電に影響するため、より高い固定買取価格で固定買取年数が長い方が良い太陽光発電所と判断されます。
立地条件
発電実績と固定買取年数の次に重要なポイントは設置場所となります。
太陽光発電所の立地条件が悪い場合、十分に発電できなかったり、災害時にリスクがあると懸念されるため、販売価格が低くなります。
設備部材の信頼性
太陽光発電所に使われている部材の信頼性は売却時のアピールポイントになります。
取り扱い製品のメーカーや実績などから故障しやすいのではないかといった懸念をされることがあります。
定期メンテナンスの有無
太陽光発電所のメンテナンスをしていない場合は、設備が故障して売電量が低下してしまいます。
定期的なメンテナンスは故障を防ぐために必要不可欠であり、メンテナンスの有無は売却時の価格にも影響します。
まとめ
今回は太陽光発電のセカンダリー市場について説明しました。
セカンダリー物件の購入は精度を高く収支予想ができることが最大の魅力となります。
また、新設するよりも発電実績があり、現在よりも高い固定買取価格で売電ができるセカンダリー物件の方が低リスクの投資だと考えています。
しかし、メンテナンス状態や立地が悪い物件もあるため、購入前に必ず確認をおこない、専門家に相談しましょう。
久野商事ではセカンダリー物件のご紹介もおこなっております。
その他、太陽光発電に関する資材の販売から工事までサービス提供しています。
例えば、破損したフェンス・防草シートの取り替えや太陽光パネルの洗浄や草刈りといったメンテナンスもおこなっておりますので、お気軽にお問い合わせください。