2021.10.25

太陽光

ソーラーカーポートについて徹底解説【初心者向け】

カーポート

更新日:2023/10/25

みなさん、こんにちは。
久野商事の久野です。

近年、世界的なエネルギー不足が深刻な問題となっている現代社会において、再生可能エネルギーに対する注目が高まっており、その中でも、太陽光発電は、自然エネルギーを利用することで環境に優しく、エネルギーの安定供給に貢献することが期待されています。

みなさんはソーラーカーポートという言葉をご存知でしょうか。

ソーラーカーポートは、車を駐車するカーポートに太陽光パネルを設置し、駐車している車の充電や家庭用電力の供給をおこなうことができるシステムのため、電気代の削減やCO2排出量の削減など様々なメリットがあります。

今回はソーラーカーポートを知らない方に向けて特徴やメリットについて説明します。

 

ソーラーカーポートについて

はじめに、ソーラーカーポートについて説明します。

ソーラーカーポートとは、太陽光パネルを備えたカーポートになります。

カーポートは屋根と柱だけで造られた車庫で、雪や日光から車を保護したり、雨の日の車の乗り降りで濡れないようにする効果があります。

住居の屋根に穴をあけて太陽光パネルを設置することに抵抗がある場合、カーポートであれば気軽に設置することができます。

また、屋根に既設の場合にも、ソーラーカーポートと併用することで、より多くの発電量を稼ぐことが可能になります。
発電量が増えれば売電や蓄電池に回せる電力も増えるため、必然的に多くのメリットを得られます。

ただし、どちらか一方を後から増設した場合、条件によっては売電単価が増設時の価格に変更される可能性もあります。
売電価格は年々低価格化しているため、「価格変更はなるべく避けたい」という場合は、増設はあまりお勧めしません。

カーポート自体もガレージと違い、建物ではないので、固定資産税の対象外になります。

この点に関して詳しく知りたい方は、お問い合わせください。

 

ソーラーカーポートの種類について

次にソーラーカーポートの種類とそれぞれの特徴について説明します。

ソーラーカーポートには、様々な種類があります。

たとえば、屋根と太陽光パネルが一体となった「屋根一体型」や太陽光パネルを横向きに設置した「横置き型」や屋根と太陽光パネルが独立して設置された「分離型」などがあります。

また、様々なカーポートの形状に対応できるように一般的な屋根型やアーチ型やフラット型などカーポートに合わせた製品が販売されています。

屋根一体型

屋根一体型はカーポートと太陽光パネルが一体なっているため、無駄なスペースなく太陽光発電をおこなうことが可能となります。

ただし、屋根傾斜がないため、日当たりが悪い場所では効率的に発電できません。

また、一体型は太陽光パネルの取り外しができず、利用しなくなった後、放置することで太陽光パネルが破損して、火災に繋がる可能性があるため、注意が必要となります。

分離型

太陽光パネルがカーポートの屋根から独立して設置されているため、太陽光パネルの角度や向きを調整しやすく、より高い発電効率を得ることができます。

ただし、既存のカーポートの種類や素材によっては、架台が設置できなかったり、太陽光発電用の利用が不可と判断されるものがあるため、事前確認が重要となります。

また、カーポート自体の可能積載量を確認せず、太陽光パネルを可能な限り積載するとカーポートが破損する事があるため、設置の際には必ず既存のカーポートの仕様を確認することをおすすめします。

オーダーメイド型

オーダーメイド型は、外構のデザインや母屋の外観に合わせてソーラーカーポートの設計・デザインをすべてオーダーメイドで製作できるものになります。

既存タイプではなく、家の雰囲気にぴったり合うスタイリッシュなものが欲しい場合は、オーダーメイドがおすすめですが、価格は高くなります。

積雪対応型

太陽光発電は雪国でも実施可能ですが、カーポートは豪雪地帯を想定して作られた製品ばかりではありません。

一般的なカーポートの耐積雪強度は積雪約20㎝に設定されています。

メーカーによって積雪を意識した製品もあり、普通の積雪量想定で約30㎝~50㎝、豪雪地帯仕様では約100cm~200cmに耐えられる製品もあります。

また、この他にオプションとして補助柱があります。

片流れというタイプは片側にしか支柱がなく、車庫入れや乗り降りが楽にでき、コスパも優れているため人気のあるタイプです。

しかし、雪の重みで支柱が曲がったりする可能性があります。

この場合、一時的に補助柱を取り付けて4本柱にすることで、屋根を均等に支えるようにします。

カーポート補助柱

ソーラーカーポートのメリットについて

次にソーラーカーポートのメリットについて説明します。

①電気代の節約

太陽光発電の電力を自家消費することで、電気自動車の充電や電化製品などに利用できます。

これにより、電気代を削減することができます。

②車の保護

車を屋外駐車場に置いている場合、日光や雨風による車体の劣化や変色などが発生します。

しかし、ソーラーカーポートを設置することで車体を守ることができます。

③災害時の緊急電源

太陽光発電システムを導入すれば、災害や何かの拍子に停電が起きてしまった場合でも、電気を使用することができます。

万が一のときに備えて太陽光発電を導入する方も増えているため、災害時の緊急電源として、蓄電池と一緒に導入するのもおすすめとなります。

 

ソーラーカーポートのデメリットについて

次にソーラーカーポートのデメリットについて説明します。

①導入コストが高い

ソーラーカーポートはカーポートと太陽光発電システムの両方を設置するため、通常のカーポートと比べて、費用が高くなります。

②増築許可申請が必要

新たにソーラーカーポートを設置する場合は、市町村への申請が必要となります。

許可が降りる前に設置をしてしまい、不許可となった場合は取り外す必要があるため、必ず建物の建ぺい率と容積率を確認して設置許可を取りましょう。

③天候により発電量が変わる

太陽光発電システムは太陽光で発電するため、曇りの日や日当たりが悪い場所だと発電量が減ってしまいます。

そのため、ソーラーカーポートを設置する場合は必ず、事前に発電量のシミュレーションをおこないましょう。

 

ソーラーカーポートの設置費用について

次に、ソーラーカーポートの設置費用について説明します。

通常設置

ソーラーカーポートの設置費用は設置する地域や種類や規模によって大きく変わります。

また、設置場所によっては地盤の改良や配線工事などが必要となるため、同じ規模で金額が変わることがあります。

下記表でご紹介する金額はあくまで目安の金額となります。

屋根貸し設置

屋根貸しとは自分が持っているカーポートの屋根を業者さんに貸し出します。

貸し出しになるため、設置費用自己負担0円で太陽光発電システムを導入できます。

ただし、貸出の条件(面積やkW数)など細かく決められているため、設置の敷居は高めとなります。

費用のやりとりなどは別途業者さんと取り決めする必要がありますが、一般的には、提供者として売電収入の一部を「屋根の利用料」として請求することができます。

すべての売電収入を得ることはできませんが、初期費用負担0円で一定の売電収入を得ることができます。

PPA

最近ではソーラーカーポートのPPAサービスも登場しています。

PPAとはPPA事業者が個人や会社の屋根などに太陽光パネルを設置して、貸主は発電された電気を利用料として電力会社に支払うモデルとなります。

PPAのメリットは借主が太陽光発電システムの設置やメンテナンスをおこなうため、貸主は初期費用やメンテナンス費用を払うことなく太陽光発電システムを導入できる点にあります。

また、譲渡契約を結んでいる場合は、契約満了後に太陽光発電設備をそのまま受け取ることもできます。

PPAについて、詳しく知りたい方はコチラをご覧ください。

 

ソーラーカーポートで活用できる補助金について

最後に、ソーラーカーポートの導入に利用可能な補助金についてご紹介します。

正式名称

二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(民間企業等による再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業)のうち、再生可能エネルギー事業者支援事業費(ソーラーカーポート)

事業概要

「再生可能エネルギー事業者支援事業費(ソーラーカーポート)」は、二酸化炭素(CO2)排出抑制対策の一環として行われる補助金制度の一部です。

駐車場を活用した自家消費型の太陽光発電設備(ソーラーカーポート)の導入を行う事業者に対して経費の一部を補助することで、2050年カーボンニュートラルの実現を手助けすることを目的としています。

補助金に応募可能な対象者

①民間企業
②独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第1項に規定する独立行政法人
③地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第21条第3号チに規定される業務を行う地方独立行政法人
④国立大学法人、公立大学法人及び学校法人
⑤社会福祉法(昭和26年法律第45号)第22条に規定する社会福祉法人
⑥医療法(昭和23年法律第205号)第39条に規定する医療法人
⑦特別法の規定に基づき設立された協同組合等
⑧一般社団法人・一般財団法人及び公益社団法人・公益財団法人
⑨その他環境大臣の承認を得て協会が適当と認める者

公募実績

【令和3年度補正予算/令和4年度予算事業】
第1次 令和4年3月18日(金)から同年4月28日(木)17時(必着)
第2次 令和4年5月9日(月)から同年5月31日(火)17時(必着)
第3次 令和4年6月6日(月)から同年6月30日(木)17時(必着)

【令和4年度補正予算/令和5年度予算事業】
第1次 令和5年3月31日(金)から同年4月26日(水)17時(必着)
第2次 令和5年5月19日(金)から同年6月15日(木)17時(必着)

公募の詳細

公募の詳細は下記執行団体ホームページを御覧ください。
一般社団法人環境技術普及促進協会/公募情報

問い合わせ先

一般社団法人環境技術普及促進協会
住所:〒534-0024 大阪市都島区東野田町2-5-10 京橋プラザビル6階
メールアドレス:shinshuho@eta.or.jp

 

まとめ

今回はソーラーカーポートについて説明させて頂きました。
家の屋根の形状の関係で太陽光パネルを設置できない場合でも、カーポートにあるデッドスペースを活用することで太陽光パネルを設置できることがあります。
昨今の電気代高騰で太陽光発電システムの導入を検討されている方は、ソーラーカーポートの設置検討もおすすめします。
尚、久野商事ではフェンスや防草シートなどの建設資材のみならず、太陽光発電資材やソーラーカーポートなど太陽光発電に関わる様々な資材を取り扱っております。
ご検討中の方やご興味ある方はお気軽にお問い合わせください。

この記事をシェア

XFacebookLine

この記事を書いた人

久野 将成

  • X
  • facebook
  • youtube

フェンス一筋数年。IT界からフェンス界に転生した久野です。
太陽光フェンスやアニマルフェンスについてのウンチクを中心に書いていきます。

全国対応

お見積り最短1分!まずはお気軽にご相談ください

お急ぎの場合は、お電話だとスムーズです。 052-228-2650[受付]9:00~18:00(土日祝休)