2025.03.28
お役立ちコラム
太陽光発電施設にフェンスは必要?設置の理由・施工手順・選び方を徹底解説

更新日:2025/05/31
太陽光発電所にフェンスを設置したいけれど、
「どんな種類を選べばいいのか分からない」
「費用や施工方法の目安が知りたい」
「信頼できる業者を探しているけど決めきれない」
——そんなお悩みはありませんか?
実は、太陽光発電施設におけるフェンスの設置は、法律(経済産業省の指針)によって義務づけられており、安全確保や盗難・獣害対策のためにも欠かせないものです。
しかし、設置基準や施工方法、フェンスの種類は意外と知られておらず、初めての方にとっては不安や疑問が多いのも事実です。
本記事では、
なぜ太陽光フェンスが必要なのか
フェンスの種類や選び方のポイント
施工方法・費用の目安
傾斜地や特殊地形での注意点
といった内容を太陽光フェンスの専門知識がなくてもわかりやすく解説します。
また、全国対応・実績豊富な「久野商事」による施工サービスもご紹介しますので、フェンス設置をご検討の方はぜひご検討ください。
目次
なぜフェンスの設置が必要なのか
太陽光発電所にフェンスを設置する理由は、大きく分けて「法令による義務」と「安全・保全のためのリスク対策」の2つがあります。
法令によって設置が義務づけられている
2017年に改正された経済産業省のガイドラインで、野立て(地上設置型)の太陽光発電設備において、敷地を囲う外柵(フェンス)の設置が義務化されています。
これは、発電設備の第三者接触による感電事故や、子ども・動物の侵入による事故リスクを未然に防ぐための措置になります。
特に、FIT制度(固定価格買取制度)を活用している太陽光発電所では、保安規定を満たしていないと、最悪の場合は売電停止のリスクもあります。
つまり、フェンスは「設けた方が良い」ではなく、「設けなければならない」ものになります。
フェンス設置の義務については、「FIT法改正によるフェンス設置義務化について徹底解説!!」にて詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください。
盗難・いたずら・獣害を防ぐため
フェンスの役割は、発電所を守るセキュリティ対策としても非常に重要です。
・ソーラーパネルやケーブルの盗難防止
・いたずらや不法侵入による破損の防止
・イノシシやシカなどの野生動物による被害防止(獣害対策)
実際に、フェンスを設置していなかったことで、数百万円相当の設備が盗まれた例もあります。
こうしたリスクを最小限に抑えるためにも、フェンスの設置は重要です。
フェンスの種類や選び方のポイント
太陽光発電所に設置されるフェンスには、用途や設置場所に応じてさまざまな種類があります。
ここでは代表的な3つのタイプについて、それぞれの特徴と選び方のポイントを解説します。
メッシュフェンス|定番でコスパ重視
メッシュフェンスは、格子状フェンスで、太陽光発電所の現場でもっとも多く使われているフェンスになります。
軽量で施工しやすく、コストも比較的安価です。
また、視認性が高く、風の通りも良いため、強風などで倒れるリスクも低いです。
メッキフェンス|とにかく費用を抑える
メッキフェンスはメッキ加工されたフェンスで極力費用を抑えたい太陽光発電所や畑などで利用されることが多いフェンスになります。
ただし、自治体によっては景観条例でフェンスの色が指定されているため、利用できない地域もあるため、注意が必要です。
軽量で施工しやすく、メッシュフェンスよりも安価ですが、耐久性が低いため積雪地域や塩害地域での利用は避けることをおすすめします。
電気柵|獣害被害が多い地域
獣害被害が多い地域では電気柵を設置することで、害獣が発電所内に立ち入るのを防ぐことができます。
ただし、電気柵は電源が必要で人間の侵入者にはほとんど効果がないため、防犯対策も併用したい場合は、他のフェンスと併用することをおすすめします。
フェンスの施工方法について
次に、フェンスの施工方法について説明します。
ここで説明するのは、弊社のフェンスを利用した場合の施工方法になります。
施工費用やDIYでの施工については「【徹底比較】太陽光フェンスを格安で設置!費用を抑えるコツについて」にて、詳しく説明しておりますので、ぜひご覧ください。
道具の確認
まずはじめに、施工にあたって必要な道具について説明します。
施工に必要な道具はホームセンターなどで購入できます。
・軍手
施工時に指を挟んだり切ったりすることがあるため、必ず軍手を装着します。
・大ハンマーまたは杭打機
杭の打ち込みに利用します。
杭打機はガソリンで杭を打ち込む機械で、ドッグランや太陽光発電所など広範囲にフェンスを設置する場合、施工時間を大幅に短縮できます。
・基礎ブロックまたは鋼管基礎
地盤が緩い場所や強度を高めたい場合に利用します。
基礎ブロックや鋼管基礎の大きさはフェンスにより異なりますので、フェンスの仕様書やフェンスメーカーに必ず確認します。
また、基礎ブロックや鋼管基礎を利用する場合は、バサモルタル・モルタルも必要になるため、必ず準備します。
・スコップ
基礎ブロックを利用する場合、地面に穴を空ける必要があるため、必ず準備します。
・水平器
水平器は支柱を設置する際に、水平になっているか確認するために利用します。
・たこ糸
たこ糸はフェンスラインを決めるために利用します。
たこ糸の代わりにラインパウダー(石灰)などでも代用できますが、フェンス上部のラインを見ることができないため、たこ糸を利用することをおすすめします。
・インパクトドライバー
付属品を固定するために利用します。
手締めでも固定できますが、時間短縮としっかりと止めるためにインパクトドライバーの利用をおすすめします。
・巻き尺
支柱の設置間隔やGLを測るために利用します。
距離を測ることができる道具であれば巻き尺でなくても構いません。
フェンスの施工手順について
次に、フェンスの施工手順について説明します。
フェンスラインの設定
支柱を打ち込む前に、たこ糸またはラインパウダーで線を引きます。
フェンスラインをあらかじめ決めることで、フェンスを真っすぐに設置できるため、見た目が綺麗になります。
このとき、あらかじめ支柱の間隔を測り、マークすることで支柱設置時のミスを防ぐことができます。
支柱の設置
打ち込み設置の場合は、大ハンマーや杭打機で2mピッチで支柱を打ち込んでいき、角の場合は角の交点から150mm離して打ち込みます。
門横に支柱を打ち込む場合は、門横から200mm以内に収めるように設置します。
なお、打ち込む際に、支柱の下穴の中心からGL180mm空けるとフェンスのGLが50mm程となります。
フェンス下のGLが高すぎると、小動物が容易に侵入できるため、必ずGLを確認して調整します。
基礎ブロック設置の場合は、2mピッチで地面に穴を堀り、基礎ブロックを地面に設置します。
ブロックを設置する際には、水平器で水平になっていることを必ず確認します。
ブロックの設置後、ブロックの周りにバサモルタルを流し込んで、固定します。
ブロックが水平となっているのを確認してから、支柱を差し込み、モルタルを流します。
モルタルを流し込んだ後、必ず水平器で支柱が水平・垂直になっていることを確認します。
支柱が傾いていると見た目が悪くなるだけでなく、強度が下がり倒れる可能性があります。
また、規格の合わないブロックを利用すると支柱が倒れる可能性があります。
必ずメーカー推奨サイズの基礎ブロックを利用することをおすすめします。
なお、久野商事推奨規格は以下の通りです。
不明な点などございましたら、お気軽にお問い合わせください。
フェンスの取り付け
設置した支柱にフェンスを掛けます。
フェンスの設置方法はメーカーにより異なりますが、
支柱にフェンスを掛けるための金具はナットを強く締めすぎるとフェンスを掛けられないため、仮締め程度にしておくと施工しやすくなります。
フェンスのカット
角や門扉横など、フェンスが2mに収まらない箇所を番線カッターなどで、カットしていきます。
フェンスをカットする場合は、縦軸の際ではなく、10cmほど残してカットすると綺麗になります。
切断部をそのままにすると怪我の恐れがあるため、必ず保護キャップを付けます。
なお、フェンスはコーナーや門扉でカットすることが多いため、予備のフェンスとして、コーナー数 / 2枚を用意することをおすすめします。
※コーナー数が4か所の場合、予備のフェンスとして2枚用意します。
ジョイントの取り付け
フェンス間にジョイントを付けて固定します。
ジョイントでフェンス同士を固定することで強度を高めることができます。
最終確認
フェンスの設置が終わったら下記点を確認します。
〇支柱が垂直になっているか
〇支柱の頭が揃っているか(しっかりと地面に刺さっているか)
〇付属品の締め忘れやジョイント、保護キャップのつけ忘れがないか
〇フェンスラインをたこ糸で引いていた場合、回収し忘れがないか
傾斜地や特殊地形での注意点について
太陽光発電所の建設地には、傾斜地や不整形な土地、段差のある地形などが少なくありません。
そのような場所にフェンスを設置する場合は、平地とは異なる注意点や追加コストが発生する可能性があります。
ここでは、傾斜地や特殊地形にフェンスを設置する際の主な注意点を解説します。
地形に合わせた施工設計
傾斜地や段差のある場所では、フェンスを水平に設置するか、地面に沿って段差をつけるかを判断する必要があります。
正しい施工をおこなわないと、支柱の設置角度や深さが一定にならず、フェンスが傾いたり歪んだりしやすいという問題があります。
土砂流出・水はけ対策
斜面地では大雨による土砂の流出や、フェンス付近に水がたまりやすくなることもあります。
これを放置すると、基礎が崩れたり、フェンスの倒壊リスクにもつながります。
材料・施工費用が割高になる可能性がある
傾斜地や特殊形状の土地では、施工に手間がかかるうえに、標準サイズのフェンスでは対応しきれない場合があります。
そのため、特注サイズの部材使用や、追加の人件費・重機代が発生することもあります。
傾斜地が多い場合は、事前に現地調査を依頼することをおすすめします。
まとめ
今回はフェンスの必要性と施工方法について説明いたしました。
太陽光発電所におけるフェンス設置は、法令で義務づけられているだけでなく、安全確保や盗難・獣害対策といった実用面でも極めて重要です。
しかし、
「どんなフェンスを選べばいいかわからない」
「施工費用の目安が知りたい」
「信頼できる業者にお願いしたい」
そんなお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度久野商事にご相談ください。
全国対応・豊富な施工実績で、平地はもちろん、傾斜地や特殊地形にも柔軟に対応いたします。
現地調査・お見積りのお問い合わせをお待ちしております。