2022.01.26
太陽光
蓄電池の選び方について【徹底解説】
更新日:2023/9/28
みなさん、こんにちは。
久野商事の久野です。
近年、地球温暖化や電気代の高騰により、再生可能エネルギーが注目を集めています。
中でも、個人でも気軽に始められる太陽光発電を導入する方が増えています。
一方で、発電した電気を貯めるための蓄電池について、「製品によってどういった違いがあるのか」、「どうやって選べば良いのか」というお問い合わせが増えております。
そこで今回は、蓄電池の導入を検討されている方向けに、蓄電池の選び方について説明していきます。
蓄電池について詳しく知りたい方はコチラをご覧ください。
目次
蓄電池を選ぶポイントについて
蓄電池を選ぶ場合は、いくつかのポイントに注目することが重要となります。
まず初めに、蓄電池を選ぶポイントについて説明します。
導入目的
蓄電池を導入する場合は、導入目的を明確にすることが重要となります。
たとえば、災害時などの緊急電源用として利用するのか、日常で利用するのかで利用する蓄電池の種類や容量が変わってきます。
導入目的を明確にしないと、蓄電池の容量が足りなかったり、多すぎて無駄になったりするため、注意が必要となります。
使用可能サイクル
蓄電池の仕様サイクルとは蓄電池が充電と放電を繰り返すことができる回数のことを指します。
蓄電池を100%まで充電して、0%まで放電することを1サイクルとカウントします。
使用可能サイクルが多いほど、寿命が長い蓄電池となります。
①リチウムイオン電池
リチウムイオン電池は電子機器や電気自動車など様々な分野で使用されています。
使用可能サイクルは数千回から数万回といわれており、経済産業省の蓄電池戦略プロジェクトチームの調査によると、3,500回(6年〜10年)という結果が出ています。
②ニッケル水素電池
ニッケル水素電池は主に携帯電話やデジタルカメラなどの電子機器に使用されています。
使用可能サイクルは数百回から数千回といわれており、経済産業省の蓄電池戦略プロジェクトチームの調査によると、2,000回(5年〜7年)という結果が出ています。
③鉛電池
鉛電池は主に自動車のバッテリーやUPS(無停電電源装置)に利用されています。
使用可能サイクルは数百回から数千回といわれており、経済産業省の蓄電池戦略プロジェクトチームの調査によると、3,150回(17年)という結果が出ています。
④NAS電池
NAS電池はナトリウム硫黄電池(Sodium-Sulfur Battery)の略称になります。
NAS電池は高温作動型の蓄電池でもあり、大規模なエネルギー貯蔵システムとして使用されています。
使用可能サイクルは数千回から数万回といわれており、経済産業省の蓄電池戦略プロジェクトチームの調査によると、4,500回(15年)という結果が出ています。
参考文献:蓄電池戦略
蓄電池の使用可能サイクルは基本的に、利用している電池により決まりますが、製造メーカーによっても若干異なるため、注意が必要となります。
また、使用サイクルはあくまで蓄電池の寿命を測る指標のため、規定回数に到達したからといって、使用できなくなるわけではありませんが、蓄電容量が減ることで更に寿命が短くなるため、早めに交換することをおすすめします。
定格出力
定格出力は蓄電池が供給できる最大の量を示します。
定格出力は蓄電池の容量や設計によって異なりますが、一般家庭で利用する蓄電池の場合は、数kW程度で、産業用などの大規模な蓄電池では、数十kWから数Mw以上の定格出力が必要となる場合があります。
家庭用の蓄電池の場合、一度にいくつの機器を利用して、必要となる定格出力がどれくらいになるのかを確認する必要があります。
家庭で利用する一般的な家電製品の消費電力を表にまとめます。
家電 | 消費電力 |
電子レンジ | 1500W |
炊飯器 | 1300W |
ドライヤー | 1200W |
エアコン | 660W |
冷蔵庫(450L) | 250W |
液晶テレビ(42型) | 210W |
デスクトップパソコン | 200W |
ノートパソコン | 30W |
LED照明(1つ) | 10W |
上記表の通り、利用する家電により消費電力は大きく異なります。
定格出力を選ぶ際は、これらの家電で同時に使用する可能性がある家電の消費電力が最大値がどれくらいになるかを計算して、それに合った蓄電池を選ぶことをおすすめします。
蓄電容量
蓄電容量は蓄電池が充電できる電気の量を示す指標になります。
蓄電容量はあくまで、理論値であり、実質容量とは異なるため、蓄電容量を見る際は、記載されている容量の90%程が利用出来る容量と考えると良いでしょう。
また、蓄電容量が大きすぎると、利用しない無駄な電力ができてしまうため、蓄電容量は80%〜90%ぐらい利用する容量を選ぶことをおすすめします。
尚、必要な蓄電容量が分からない場合は、下記計算式で求めることができます。
利用する電力 × 使用時間=必要な容量
たとえば、利用する電力が950Wで、10時間利用する場合、利用する電力は9,500W(9.5kW)になります。
蓄電容量は記載の90%が利用出来るとすると、11kWh〜12kWhの蓄電池があれば、電力を賄うことができます。
保証内容
蓄電池は10年以上利用する機器のため、保証が重要となります。
一般的に、蓄電池には10年保証が付いていますが、販売店やメーカーによって5年追加保証などがある場合もあります。
メーカーによっては、独自のサービスが付いていることもあるため、自分に合った保証とサービスで選ぶことをおすすめします。
設置場所
蓄電池には屋外に設置するタイプと屋内に設置するタイプがあります。
一般的に屋内型の方が価格が安価なことが多くあります。
一方で、稼働音が大きいため、音が気になる方や屋外に設置するスペースがある場合は、屋外型を設置することをおすすめします。
蓄電池の種類
次に、蓄電池の種類について説明します。
蓄電池には主に3種類あります。
用途によって導入するべき蓄電池が異なるため、注意が必要となります。
独立型
独立型は電力会社が供給する電力を蓄電することができます。
電気料金が安い時間帯に電力を貯めて、電気料金が高い昼間の消費量を減らすことで、電気料金を抑えることができます。
また、停電などの災害時にも予備電源として利用出来ます。
一方で、太陽光発電システムから直接供給することはできないため、太陽光発電システムを導入されている場合は、注意が必要となります。
連系型
連系型は電力会社の電気と太陽光発電システムで発電した電気を蓄電することができます。
連係型の場合、太陽光発電システムと電力網を連結し、発電された電力は自家消費され、余剰電力が蓄電池に蓄電されます。
また、太陽光発電システムが発電しない時間帯や電力消費が多い場合、蓄電池から蓄電した電気を取り出して、利用することができます。
尚、太陽光発電システムと蓄電池をセットで導入する場合は、購入する蓄電池がハイブリッドタイプか確認することをおすすめします。
ハイブリッドタイプは蓄電池機能の他にパワーコンディショナの機能も搭載しているため、太陽光発電システムを導入する際に、別途パワーコンディショナを用意する必要がありません。
EV対応型
EV対応型は、電気自動車(Electric Vehicle、EV)の充電や放電ができます。
EV対応型は先の2つのタイプよりも容量が多い機種が多く、消費電力が多い場所に適しています。
まとめ
今回は蓄電池の選び方について説明させて頂きました。
蓄電池は使用する電力にあった物を選ばないと容量が足りなかったり、無駄になってしまうことがあります。
そのため、蓄電池を選ぶ際は実際にどれだけ利用するのかも踏まえて選択しましょう。
久野商事は蓄電池だけでなく、パワーコンディショナなどの太陽光発電資材や太陽光フェンスなども取り扱っておりますので、お気軽にお問い合わせください。