皆さん、こんにちは。いつも久野商事をご利用頂き誠にありがとうございます。
今回は水上太陽光発電とは何かについて詳しく解説したいと思います。
目次
水上太陽光発電とは?
水上太陽光発電とは、水上ソーラーやフロート式太陽光発電とも呼ばれ、太陽光パネルを並べる場所として、地面や建物の屋根ではなく、水上に設置するタイプの太陽光発電所で、主に農業用のため池などを活用しています。
そもそもなぜ、水上に設置しているのかと言うと日本は、他国に比べて国土の面積が狭くそれによって、地上設置型の太陽光発電施設に適した土地の確保が難しいとされています。
他の理由としては、ため池の多さにあり、日本のため池の数は農林水産省 防災課の調べで16万箇所と言われいます。(令和2年3月時点)
ため池とは
・降水量が少なく、流域の大きな河川に恵まれない地域などで、農業用水を確保するために水を貯え取水ができるよう、人工的に造成された池のことです。
・ため池は全国に約16万箇所存在し、西日本を中心に全国に分布しています。
・瀬戸内地域は年間を通じて降水量が少ないことから、古くからため池が築造され全国の約5割が存在しています。出典:農林水産省 ため池とは
日本にある水上太陽光発電所は?
ここでは日本に存在する水上太陽光発電所を紹介したいと思います。
川島太陽と自然のめぐみソーラー
「川島太陽と自然のめぐみソーラー」は埼玉県川島町にある世界最大級の水上メガソーラー(2016年時点)です。
当時の水上メガソーラーとしては大規模な約7.5MWを要し、使用している貯水池の面積は約13万㎡とされており、太陽光パネルは2万7456枚設置してあり非常に使用パネルの枚数も多いです。
年間の発電量は、一般家庭用約2300世帯分の消費電力になります。
平木尾池水上メガソーラー
出典:三菱電機株式会社
「平木尾池水上メガソーラー」は香川県木田郡三木町にある出力約2.6MWのメガソーラーです。
連携出力は1.99MWで、年間発電量は290万kWh程となります。
平木尾池ではハスが群生しており、ハスとの共存という珍しい水上ソーラーでもあります。
山倉水上メガソーラー
出典:京セラ株式会社
千葉・山倉水上メガソーラーは、国内の水上太陽光発電施設の中で最大のサイズで、世界で見ても第3位の大きさになります。
山倉水上メガソーラー付近に水を送るダムがあり、ダムの30%を利用して、約5万枚の太陽光パネルを設置してあります。
最大出力は13.7メガワットほどとなります。
水上太陽光発電所のメリット
太陽光施設を水上に設置するメリットについて解説していきたいと思います。
発電効率が下りにくい
太陽光パネルは、温度が上がるほど発電効率が下がっていってしまいます。
太陽光パネルは温度が上昇すると電流は上がってくるのですが、それ以上に電圧が下がってしまい、その結果、発電効率がどんどん落ちてしまいます。
太陽光パネルがもっとも効率よく電気を生み出せる太陽光パネルの表面温度は25度とされており、真夏の場合は、知らずに発電効率を下げてしまっている可能性があります。
そのため、太陽光パネルの温度は低く保つことが理想で、水上ソーラーは、水面の温度の方が地面より低いため、太陽光パネルの表面温度を低い状態で保てる上に、水面からの照り返しで、より多くの太陽光を集める事もできます。
障害物が少なく影ができにくい
太陽光発電は、パネルに太陽光の光が当たる事で発電されます。
そのため、太陽光パネルに障害物や遮蔽物などがあると光が遮られ発電効率が下がっていきますが、水上ソーラーの場合、設置場所はため池など周りに遮蔽物が少ない場所に設置するため、発電効率低下を心配する必要なく発電を行えます。
造成が不要
地上に設置する太陽光発電所の場合は、山林などに設置する事が多く、その際に土地の造成が必要な場合があり、時間やコストが大きくかかってきます。
それに対し、水上太陽光発電では土地の造成の必要がなく、コストも削減でき、周辺に邪魔な建物や樹木も少ないです。
経費削減の面でも、雑草の除草作業なども必要がないため経済的です。
そのため、地上設置型の発電設備に比べ、設置の時間やコストを節約することが出来ます。
太陽光発電における造成については下記記事で紹介しておりますので、併せてご覧ください。
水利組合にとってもメリットがある
水上ソーラーを導入すると、水不足対策になります。
パネルを水上に設置すると太陽光の日射を遮る事になるので、結果として水の蒸発を抑え、水草、藻、青子などの発生も抑えれます。
そのため、水利組合と発電事業者の両方にメリットがあります。
水上太陽光発電所のデメリット
メリットがあればもちろんデメリットもあります。
設置業者の工事経験が、地上設置に比べて少ない
水上太陽光発電所と野立て太陽光発電所の数を比較した時、野立て太陽光発電所よりも設置数が少なく、工事手法も確立されていないため、工事期間が長期になってしまうケースがあります。
増水や渇水、台風時などの強風対策等が必要
水上太陽光発電所を設置する場合、渇水や増水などの野立て太陽光発電所とは全く違った問題が起きてしまう可能性があり、また別のノウハウが必要になってきますので注意が必要です。
しっかりと水上ソーラーならではの対策をしましょう。
太陽光パネルや配線の防水や漏電などといった対策
水上ソーラーは水の上に設置するので、どうしても水による腐食や、電気を水の上で扱う事により、電気の事故なども起きやすくなっています。
そのため、必ず防水、絶縁、耐食処理等を行いましょう。
水上太陽光発電所でも保険は必要なのか
日本は気候の特徴などから、世界有数の自然災害大国と呼ばれており近年様々な、自然災害で太陽光発電所以外でも甚大な被害が至る箇所で起きています。
主な災害としては台風・豪雨・地震・津波などがあげられます。
太陽光発電投資や事業は融資を受けてから始められる方が多いと思います。
そうなると、月々の返済もあり発電所の故障や停止は設置当初の利益予測と大きくずれてしまいます。
実際の事例として、2019年の台風15号が千葉県を通過した際に千葉・山倉水上ソーラー発電所で火災が発生しています。
台風の強風で、フロート架台が押し流され損壊し複数箇所から発火し、火災事故が起きました。
幸いにも人的被害はなかったが、太陽光パネル5万904枚使用されており、その内77%が風に押し流されて、一部が発火してしまいました。
メーカー保証は、自然災害は保証対象外となるのが一般的なため、もしもの災害に備え保険の加入はしましょう。
太陽光発電における保険と補償については、下記記事で紹介しておりますので、併せてご覧ください。
水上太陽光発電所にもフェンスは必要なのか
野立ての太陽光発電所の場合、フェンスの設置義務や害獣対策、盗難対策のためにフェンスの設置が必要となります。
しかし、水上太陽光発電所は野立て太陽光発電所と違い、フェンスの設置義務もなければ、獣害対策も不要で、盗難対象になる事が多いパネル・ケーブル・架台は水上にあるため、盗難される事もほとんどないと言っても良いでしょう。
フェンスの設置義務や盗難については下記記事で紹介しておりますので、併せてご覧ください。
ではフェンスの設置は全く不要かというとそうではありません。
ため池や海などには釣り人や子供が侵入してくることがあります。
たとえば、子供が池に入り、フロートの下に潜ってしまった際に水面に顔を出せずパニックでおぼれてしまったり、
水上太陽光発電所が破損等で漏電しているときに、誤って池に落ちてしまった場合、感電事故に繋がる可能性があります。
以上の事から、未然に事故を防ぐという意味でもフェンスの設置や可能であれば注意看板の設置を行うことをおすすめ致します。
まとめ
ここまで、水上太陽光発電について説明してきました。
水上太陽光発電を設置し、運用していく際に防犯や侵入対策等で必要になってくるのが、太陽光フェンスです。
久野商事では太陽光関係の様々な商材を扱っており、フェンスも取り扱っています。
フェンスのおすすめはメッシュフェンスです。先メッキ+二重粉体塗装での加工により防錆性も高く、耐久試験も行っている高耐久のフェンスになります。
また、防草シートも取り扱っており太陽光発電施設の雨水対策も行えます。
久野商事では太陽光フェンスの販売だけでなく、フェンスの施工も一貫して行っておりますので太陽光フェンスのご提供と設置までがとてもスムーズにできます。
また、太陽光フェンスや架台や防草シートなど、太陽光施設についてお困りのことがございましたら、お問い合せよりお気軽にお申し付けください。