2021.04.20
防獣・獣害対策
正しい防獣ネットの選定方法ついて【徹底解説】
更新日:2023/03/29
みなさん、こんにちは。
久野商事の久野でございます。
近年、森林伐採や地球温暖化の影響で野生動物が住宅街を徘徊したり、田畑を荒らすなどの被害が増えてきています。
対策の一つとして、防獣ネットを設置する方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は獣害対策に防獣ネットを検討されている方を対象にした、防獣ネットの選定ポイントや実際の張り方について説明していきます。
目次
防獣ネットについて
まずはじめに、防獣ネットについて説明します。
防獣ネットは主に家庭菜園などで利用される柵になります。
鉄線やポリエステルなどで作られており、様々な網目の商品が販売されているため、対策したい害獣に応じて選ぶことができます。
また、価格も比較的安価で、柔軟性があるため、初心者でも簡単に取り付けることができます。
一方で、強度が低いため、強風や積雪に弱く、イノシシやシカなど大型の害獣対策としては利用できません。
また、耐久性も低く、数年で劣化することがあるため、定期的に交換する必要があります。
防獣ネットの選び方について
次に、防獣ネットの選び方について説明します。
防獣ネットは様々なメーカーから販売されており、価格や仕様、対策可能な害獣が異なります。
そのため、防獣ネットを選ぶ際は下記6つのポイントに注意しましょう。
①害獣の特定
まずはじめに、害獣の特定をおこないます。
害獣によって効果のある防獣ネットが異なるため、対策する害獣を特定することが重要となります。
②長さ
防獣ネットを張る際に、どれくらいの広さに設置するかを確認します。
また、ネットの不足や余分が出ないように事前に確認します。
③ネットと支柱のセット
ネットをはじめて設置する場合は、ネットと支柱がセットとなった製品がおすすめとなります。
物によって、ネットと支柱が別売りだと余計な費用が掛かったり、別途鉄パイプなどを準備する必要があります。
④網目
ネットの網目の広さも重要な要素になり、例えば網目が広いほどネットの強度が弱くなります。
また、小動物の侵入も容易になるため、網目は小さい目のものを選びましょう。
⑤耐久性
害獣の力は強く、ポリエチレン製のネットでは簡単に破られてしまう可能性があるため、太くてワイヤー入りのネットを選びましょう。
⑥高さ
害獣によってはネットを設置しても飛び越えてしまうことがあります。
イノシシの場合は1.5m、シカの場合は2m以上と対策したい害獣に適した高さにしましょう。
また、小動物の対策をおこなう場合は、ネットを地面に垂らして、ピンで固定することをおすすめします。
おすすめ防獣ネット11選
次に、おすすめの防獣ネットをご紹介します。
①シンセイ アニマルネット
シンセイのアニマルネットは株式会社シンセイから販売されている防獣ネットになります。
ラッセル織りの糸を使用した丈夫な作りになっています。
高さは1mと1.5mと2mの3種類があり、幅は10mと50mの2種類があるため、環境に応じて使い分けることができます。
補強用ロープ付きのため、たるみなく設置が可能となります。
一方で、杭や支柱は付属していないため、別途用意する必要があります。
②アニマル&万能ネットセット
アニマル&万能ネットセットも株式会社シンセイから販売されている防獣ネットになります。
高さ1m、幅10mと短いですが、杭とネットを固定するピンがセットとなった製品になります。
③ステン入り猪シカネット
ステン入り猪シカネットも株式会社シンセイから販売されている防獣ネットになります。
高さ2m、幅50mと長く、シカにも対応できる防獣ネットになります。
また、ステンレス線が入れられているため、噛み切られにくいようになっています。
一方で、杭や支柱は付属していないため、別途用意する必要があります。
④ステン入り強力猪シカネット
ステン入り強力猪シカネットはステン入り猪シカネットを強化した製品になります。
高さと幅は変わりませんが、網目が16cmから10cmとなっているため、小動物にも対応することができます。
また、ステンレス線の数が2本から8本に増えており、強度がより高くなっています。
尚、杭や支柱は付属していないため、別途用意する必要があります。
⑤日本ワイドクロス アニマルネット
アニマルネットは日本ワイドクロス株式会社から販売されている防獣ネットになります。
高さ2m、幅50mと長く、通常の網目16mmのネットとシカ対策に最適な網目20mm/25mmがあります。
対策したい害獣によって使い分けが可能となります。
⑥日本ワイドクロス アニマルネット ホールタイプ
アニマルネット ホールタイプも日本ワイドクロス株式会社から販売されている防獣ネットになります。
高さは1m、1.5m、2mと幅広く対応しており、長さは50mになります。
通常のアニマルネットとは違い、50cm間隔で穴が空いているため、支柱を差し込むことができます。
オプションの防獣杭を利用すれば、支柱にネットを引っ掛けることができるため、簡単に施工することができます。
⑦かんたん猪ネット
かんたん猪ネットは株式会社イノベックスから販売されている防獣ネットになります。
高さが1.6m、幅は20mで網目は18cmとイノシシに特化した製品になります。
杭や支柱は付属していないため、別途用意する必要があります。
⑧かんたん猪ステン入りネット
かんたん猪ステン入りネットはかんたん猪ネットにステンレス線が3本入った防獣ネットになります。
ステンレス線が編み込まれたことで、より強度が上がり、噛み切られにくいようになっています。
こちらも杭や支柱は付属していないため、別途用意する必要があります。
⑨アニマルネット1200
アニマルネット1200はタイガー株式会社から販売されている防獣ネットになります。
高さが1.2m、幅は50mで網目が4cmとイノシシや小動物に最適な製品となります。
杭や支柱は付属していないため、別途用意する必要があります。
⑩アニマルネット2300
アニマルネット2300もタイガー株式会社から販売されている防獣ネットになります。
アニマルネット1200と違い、高さが2.3m、網目が6cmとイタチやハクビシンなどの小動物やシカ対策に最適な製品となります。
こちらも杭や支柱は付属していないため、別途用意する必要があります。
⑪JPロールフェンス
JPロールフェンスは弊社オリジナルの獣害対策用フェンスとなります。
高さは1.2m、1.5m、1.8mの3種類があり、様々な害獣に対応が可能となります。
網目については、上部から、200mm×150mm、150mm×150mm、100mm×150mmと下部に近いほど狭くなっています。
防獣ネットとは違い、鉄製で、線径もΦ2.6と太いため、害獣に噛み切られることはありませんが、高さの最大が1.8mのため、シカに飛び越えられてしまう可能性があります。
防獣ネットの張り方について
次に、防獣ネットの張り方について説明します。
ここで説明する設置方法は一般的な設置方法であり、製品によって施工方法が異なる場合がございます。
必ず取扱説明書をご確認の上、施工頂きますようお願いします。
①事前準備
防獣ネットの設置には下記道具が必要となります。
道具 | 用途 |
防獣ネット | 害獣の侵入を防ぎます。 |
支柱(杭) | 防獣ネットの固定に利用します。 |
ハンマー | 支柱を打ち込むために利用します。 |
ロープや結束バンド | 防獣ネットと杭を固定するのに利用します。 |
メジャー | 支柱の間隔を測るのに利用します。 |
チョークや石灰など | 支柱位置のマーキングに利用します。 |
U字ピン | ネットを地面に敷く際に利用します。 地面に敷かない場合は不要となります。 |
②整地
ネットを設置する場所を平らに整地します。
整地をすることで、地面とネットの間に隙間ができにくくなります。
③マーキング
支柱を打ち込む場所を1m〜2m間隔でマーキングします。
支柱の間隔は利用する商品や地盤の状態によって異なるため、事前に商品情報の確認と地盤の硬さの確認をおこなうことをおすすめします。
④支柱の設置
マーキングした場所に支柱を打ち込みます。
支柱の高さは使用するネットの高さに合わせます。
しかし、支柱の打ち込みが甘いと、抜けてしまうため、ネットに余裕がある場合は、30cm〜50cm程打ち込むことをおすすめします。
また、風が強い地域などでは、筋交いを入れることで強度をあげることができます。
⑤ネットを張る
設置した支柱にネットを固定しながら、ネットが弛まないように張っていきます。
ネットを地面に垂らすスカートタイプの場合は、ネットを張った後、U字ピンなどでネットが捲れないように固定して完成となります。
防獣ネット以外の対策方法について
ここからは防獣ネット以外におすすめの対策方法について説明します。
電気柵
電気柵は害獣が柵に触れた際に、低電圧の電気ショックを与えて、驚かせることで侵入を防ぐことができます。
電気柵には太陽光発電式、乾電池式、AC式などがあり、太陽光発電式やAC式であれば、電池の交換が不要なため、半永久的に利用することができます。
一方で、電気柵は対策したい害獣によって、柵の高さ、線の間隔、接地などを調整する必要があるため、設置が難しく、周辺の雑草処理などのメンテナンスも必要なため、手間が掛かります。
また、害獣によっては、何度も電気ショックを受けることで、電気に慣れてしまい、効果が薄くなることもあります。
メッシュフェンス
メッシュフェンスは鋼鉄やスチールで作られているため、とても丈夫で、イノシシの突進にも耐えられる製品もあります。
防錆び加工されている製品が多く、腐食性が高いため、メンテナンスの手間が掛からず、長期間の設置が可能となります。
また、先述の電気柵と併用することで、より効果的に獣害対策が可能となります。
一方で、設置には専門的な知識が必要で、初心者が設置するのは難しいため、施工業者へ依頼することをおすすめします。
まとめ
今回は防獣ネットの選び方や製品紹介から防獣ネットの張り方について説明しました。
防獣ネットは低価格で、初心者でも簡単に設置ができる人気の獣害対策となります。
しかし、しっかりとした防獣ネットを選び、正しい施工をおこなわないと、すぐに破れてしまったり、倒れてしまいます。
そのため、獣害対策にはメッシュフェンスが有効だと私は考えています。
メッシュフェンスは強度が高く、イノシシの突進なども防ぐことができ、獣害対策だけでなく、近年増えている農作物の盗難対策にもなります。
尚、久野商事では獣害対策用のフェンスの販売から施工まで一貫しておこなっています。
獣害対策でお困りの際は、ぜひお問い合わせください。