2022.07.25
お役立ちコラム 太陽光
太陽光発電におけるキュービクルについて【徹底解説】
更新日:2023/05/01
みなさん、こんにちは。
久野商事の久野です。
工場の屋根や広大な土地を有効活用するため太陽光発電を検討している企業が増えています。
しかし、太陽光発電は専門用語が多く、まずは用語を理解することから始めないといけません。
そこで今回は太陽光発電に関わる場合は必ず使うキュービクルについて解説していきます。
目次
キュービクルの概要について
はじめにキュービクルの正式名称はキュービクル式高圧受電設備と呼ばれています。
主な役割として高圧で送られてきた電気を100ボルト〜200ボルトの低圧に変圧してくれます。
本来は発電所で作られた電気は何十万Vという超高圧で送電されます。
しかし、超高圧のまま家や施設などに送電した場合、電化製品が破損したり、最悪の場合は火災に繋がります。
そのため、各地にある変電所を通して、少しずつ低圧に変圧していき、6,600Vまで変圧されて手元に届く流れになります。
また、キュービクルは送電された6,600Vの電気を低圧の100V〜200Vに変圧することで利用可能な状態にすることができます。
キュービクルと太陽光発電の関係性について
太陽光発電による売電を行っている場合は、電力会社が保有する送電線に、発電した電気を送らなければいけません。
低圧物件(50kW未満)であれば電圧が100V〜200Vのため、そのまま出力可能ですが、高圧物件(50kW以上)の場合は6600Vで出力しなければなりません。
太陽光発電による電圧は100V〜200Vのため、高圧物件の場合はキュービクルを利用して6600Vに変圧する必要があります。
尚、太陽光発電を検討されている事業者の方は、高圧物件にキュービクルが必要になります。
キュービクルの内部機器について
キュービクルの中には主に7つの機器が入っているため、それぞれを紹介していきます。
LBS(負荷開閉器)
LBSは負荷電流を開閉できる機器になります。
また、短絡電流などの大電流を遮断することはできないため、短絡電流の遮断は高圧限流ヒューズにておこないます。
VCT(電力需給用計器用変成器)
計器用変圧器(交流高電圧を測定する機器)と変流器(交流電流の大きさを変換する機器)を一つの箱に組み込んだものになります。
また、電力量計と組み合わせて、電力測定における変成装置(測定しやすいような電圧に変換する機器)としての働きをしています。
ZPD(零相検出器)
零相検出器は零相電圧を検出する為の機器になります。
OVGR(過電圧地絡継電器)
過電圧地絡継電器は、電圧による地絡(本来流れてはいけない箇所に電気が流れてしまっている状態)を検出するための機器になります。
WHM(売電用電力量計)
売電用電力計はその名の通り、どれだけ売電しているかを見るための電力量計になります。
電力計には従来のアナログ型やデジタル型、スマートメーター型の三種類があります。
ELCB/MCCB(太陽光連系用ブレーカ)
ELCBは地絡(本来流れてはいけない箇所に電気が流れてしまっている状態)を検出し、回路を遮断する機能が付加されたブレーカーになります。
一方でMCCBは、配線用遮断器はブレーカーとも呼ばれ、過電流が流れると自動的に電力を遮断します。
パワーコンディショナーとの比較について
太陽発電を検討される方でキュービクルとパワーコンディショナーの違いについて理解されてますでしょうか。
キュービクルもパワコンも変換をおこないますが、変換するものが異なります。
一般的にキュービクルは電圧の大きさを変換しますが、パワコンは太陽発電で発電した直流電力を交流電力に変換してくれます。
また、直流電力は、すぐに家庭で使用したり、売電することができないため、パワコンを通して電力を変換する必要があります。
尚、パワコンについてはパワーコンディショナーの選び方と基礎知識で詳しく説明しております。
まとめ
今回は太陽光発電の設備として、キュービクルについて説明しました。
キュービクルの内部機器については、専門用語が多く難しいと思われますが、太陽光発電の導入の際に高圧物件には、キュービクルが必須であると理解すると良いかもしれません。
尚、久野商事では、太陽光発電所での設置が義務化されたフェンスの販売から施工まで一貫しておこなっています。
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