2023.04.28

お役立ちコラム 太陽光

太陽光発電のグリッドパリティについて【徹底解説】

Grid_Parity

更新日:2023年4月27日

みなさん、こんにちは。
久野商事の久野です。

再生可能エネルギーが注目される中で工場や住宅街の屋根などに太陽光発電を設置する取り組みが増えてきました。

しかし、太陽光発電の導入には高い費用がかかってしまいます。

突然ですが、みなさんはグリッドパリティをご存知でしょうか。
グリッドパリティは電子工学の専門用語になり、太陽光発電の発電費用が下がることを意味します。

つまり、太陽光発電の導入前から設備の廃棄までの費用を下げることができます。
そこで今回は太陽光発電の導入から維持、設備の廃棄までの費用を下げることを目的としたグリッドパリティについて説明していきます。

グリッドパリティとは

ここではグリッドパリティについて解説していきます。

グリッドパリティの定義について

グリッドパリティ(Grid Parity)のグリッド(Grid)とは「送電網」を意味し、パリティ(Parity)は「同等や同格」という意味の単語になります。

太陽光発電に置き換えると、発電費用が既存の火力発電などの費用と同等か、それ以下になることという意味になります。

太陽光発電が始まった当初は高額だった太陽光発電の部材ですが、年々価格が下がり、2013年頃には住宅用太陽光発電のグリッドパリティが達成されました。

グリッドパリティ導入の理由について

現在、電気エネルギーの主な発電方法は火力発電や原子力発電になります。

しかし、最近はSDGsなど環境問題を解決しようとする流れから、火力発電や原子力発電は地球温暖化に繋がるとして、温室効果ガスを排出しない発電に切り替える動きが高まってきました。

太陽光発電をはじめとする、再生可能エネルギーは環境にやさしい発電方法になりますが、導入や維持などの費用が高額なことから、これまではあまり普及していませんでした。

そこで、一般に普及させるためにグリッドパリティを設定することで、1つの指標(最低ライン)としています。

グリッドパリティの内容について

再生可能エネルギーの発電コストを下げるために、グリッドパリティとしておこなっていることを紹介します。

日本でのグリッドパリティは、NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)が3段階に分けて定義しています。

段階別の目標については、以下の図をご参照ください。

段階対象と主な利用内容性能技術水準技術開発
第一段階グリッドパリティ
(2010年~2020年)
2013年に達成
家庭用電力(23円/kWh
住宅用系統連系システムでの利用
(技術開発は2005年に完了)
研究セル20%、実用モジュール16%
系統連系システム技術
PVシステムの信頼性確立
生産適用
技術改善
第二段階グリッドパリティ
(2020年~2030年)
業務用電力(14円/kWh)
産業・運輸及び業務分野の電力利用
蓄電機能付きシステムでの住宅利用
(技術開発の完了は2017年)
研究セル25%、実用モジュール20%
自律度向上型吏域システム技術、広域発電量予測、長寿命システム
実用化
技術開発
第三段階グリッドパリティ
(2030年~2050年)
事業用発電(7円/kWh)
運輸、大規模発電所、水素製造など
蓄電機能付きでの産業利用など
技術セル30%、実用モジュール25%
太陽光発電利用複合エネルギーシステム
要素技術の開発
汎用段階
(2050年~)
汎用電源として利用(7円/kWh以下)
独立システム
従来技術に加え効率40%以上の超高効率モジュールも追加、多様な用途に対応できる汎用電源探索研修

グリッドパリティの算出方法

太陽光発電のグリッドパリティには、以下のように明確な算出方法があります。

発電コスト[円/kWh] = (建設費[円] + 運転維持費[円] + 廃棄処理費[円]) / 運転年数内総発電量[kWh]
<各費目の算出例>(定率償却の場合)

各費目の算出例
出典:NEDEO 再生可能エネルギー技術白書 第二版

グリッドパリティの今後について

グリッドパリティが達成された場合、FITやFIPに頼る必要がなくなり、自家消費で採算が取れるようになります。

従来は国や地方自治体が主導しておこなっている太陽光発電も個人から法人が取引することが可能になるため、新しい市場が作られます。

そのため、再生可能エネルギーが売り手市場から買い手市場へ変化していきます。
将来的には、住宅用のみならず、技術の進歩や費用が下がることで、産業用太陽光発電などのメガソーラーなども導入コストが下がる可能性があります。

まとめ

今回はグリッドパリティについて説明させていただきました。

グリッドパリティが実現し、浸透することで、再生可能エネルギーにおける太陽光発電の費用を抑えることができ、導入ハードルが下がることが予想されます。

また、事業用のみならず、家庭用発電としても導入できるため、家庭の電気代高騰などの問題も解決すると考えます。

尚、久野商事では、太陽光発電所で設置が義務化されているフェンスや雑草対策として有効な防草シートを提供しています。

また、太陽光発電の設置工事などもおこなっているため、ご検討されている方はお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

久野 将成

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フェンス一筋数年。IT界からフェンス界に転生した久野です。
太陽光フェンスやアニマルフェンスについてのウンチクを中心に書いていきます。

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