みなさんこんにちは。久野商事のブログを閲覧していただき、ありがとうございます。
いきなりですが、みなさんは“太陽光発電”と聞くと何を思い浮かべますか?ほとんどの方が、パネルのイメージだったり、発電、売電という言葉を浮かべたりすると思います。
では、太陽光発電所を本格的に設置検討するときになるとどうでしょう?昨今、再生可能エネルギーの推進を背景に、太陽光発電システムを設置する企業や住宅が軒並み増えています。
そんな中で、設置検討する際、『太陽光発電用のパネルはどんな種類があるのか?どんな素材からできているのか?』という疑問を持ち始めると思います。
今回は、そんな疑問点を少し深堀した内容をお伝えしたいと思います。
太陽光発電システムを構えるには、ざっと5つ以上の製品が必要となってきます。太陽光パネル、架台、導線ケーブル、パワーコンディショナー、防草シート、フェンスetc…
今回のブログでは、その中でも、“太陽光パネル”、“架台”に使われている素材・材料について説明したいと思います。
目次
太陽光パネルについて
太陽光発電において、一番の花形である、太陽光パネルは一体何が組み合わせ合ってできていて、それらを構成する素材・材料は何なのでしょう?
正直なところ、太陽光パネルの見た目はほとんど同じに見えますが、作られている素材によって種類が分類されており、強みや価格などが変わってきます。
購入前にこれらの種類があることを知らず、『太陽光パネルであれば、何でも良い!』と簡単に選んでしまうと、後々後悔することもあり得るので、事前の情報収集が大切です。
太陽光発電設備の設置をする前には、自分のニーズや設置する環境と製品の強みが重なり合うポイントを見つけて、効率的に発電を行いましょう。
太陽光パネルの構造は?
太陽光パネルがどんなものかを知るためにも、まずは、パネルの構造から説明していきます。
みなさんが良く見かける太陽光パネルは、実は単体の1枚ではなく、大きく分けて3つの名称を持つものから(セル、モジュール、アレイ)構成されて1枚となっています。
セル
太陽電池(パネル)で使う部品の最小単位、半導体から構成されているもの
モジュール
セルが複数枚敷き詰められ、それらをガラスや樹脂によって固定し、1枚の大きな板状にしたもの
アレイ
モジュールを何枚か並列もしくは直列に並べ、結線したもので、架台に設置されている最大の単位
モジュールの構造は?
つづいて、セルが敷き詰められ、発電可能な状態である、モジュールの部分がどんな構造かを説明します。
下記の図のようにセルが敷き詰められたモジュールは、様々な構成部品が重なり合ってできています。
一概にすべでのモジュールが同じとは言えませんが、代表的なもので説明します。
フレーム
最終的にすべての構成部品を組み付け、固定するための役割を担っています。このフレームで固定することによって、1枚のモジュールとして成り立ちます。
強化ガラス
モジュールの表面には、落下物や飛来物から保護するために強化ガラスが使用されているのが一般的です。
封止シート(EVA)
セルが複数枚敷き詰められているので、その接着・固定・保護の役割を担っています。
バックシート
モジュールの一番背面に使用される部品です。これは裏面(地上)からの熱や湿度からモジュールを守る役割を担っています。
ジャンクションボックス
モジュールで発電した電気を外部出力するための機器です。
太陽光パネルに使用されている素材は?
前述のように、太陽光パネルの素材は、使用しているセルの素材によって大きく異なります。セルは、現在大変供給が薄くなっている、“半導体”が使用されており、“半導体”と言っても、種類がたくさんありますが、太陽光発電システムで利用される代表的なものは、シリコン系と化合物系の大きく2つに分類されます。
下記の表を参照ください。
セル(半導体)の素材 | どんなのもの? | メリット | デメリット | 向ている使用事例 | |
シリコン系 | 単結晶シリコン | セル全体が1つの結晶になっている | 純度が一番高いシリコンを使用するため、変換効率が高い | 生産に手間が掛かるため、価格が高い | 太陽光発電所自体スペースが小さいが、発電量を増やしたい時。 例:住宅用太陽光発電所システム |
多結晶シリコン | いくつかの小さいシリコンの結晶でセルが出来ている | 製造コストが低いため、価格が安価 | 小さい結晶を重ねて作るため、まばら模様に見える場合がある。また、変換効率もそこまで高くはない | コストが優先度の場合 例:産業用太陽光発電システム |
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微結晶シリコン | アモルファスシリコンなどの様々な素材を重ね、シリコン層を極力薄くしたもの | 製造コストが低いため、価格が安価 | 変換効率が低い | コストが優先度の場合 例:産業用太陽光発電システム |
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化合物系 | CIS | 銅・インジウム・セレンを原料として作られたもの | 高温に強く光を吸収しやすい。また、厚みがシリコン系の1/100程度ととても薄い | 変換効率が低い | 温度上昇が凄まじい場所 |
CIGS | CISの原料にガリウムが加わって作られたもの | 高温に強く光を吸収しやすい。また、厚みがシリコン系の1/100程度ととても薄い | CISよりも変換効率が低い | 温度上昇が凄まじい場所 |
シリコン系
現在、一般的に太陽光発電システムで利用されているのは、シリコン系で製造されたものになります。細分化すると下記の3つになります。
単結晶シリコン
純度が一番高いシリコンを利用しており、きれいに整列し、見た目も良く、太陽光を電気に変換する変換効率というものが一番高いものです。
場所の制限なので、少ないパネルでも最大の発電効率を上げたい場合は、単結晶シリコンの太陽光パネルがおすすめです。
ただし、純度の高いシリコンを利用するには、製造工程で多大なる手間、時間がかかるので、その分価格が高くなってしまうのがデメリットな部分です。
多結晶シリコン
小さく結晶されているシリコンをいくつか利用しているものです。
並びがまばらになってたりすることがあるので、純度の高いシリコン利用の半導体に比べると、変換効率は下がります。
ただし、製造コストを抑えることができるため、販売価格もその分安価になっています。
よって多くの産業用太陽光発電システムで利用されることが多いです。
微結晶シリコン
アモルファスシリコンと呼ばれる、極力シリコンの層を薄くしたものを利用したものです。
シリコンが薄い分、利用するシリコンが少ないので価格を抑えることは可能ですが、その分変換効率がシリコン系の中で最も低くなることは否めません。
化合物系
化合物を使った半導体を利用するメリットは、シリコンにくらべて高温に強いというところです。
シリコン系の場合は、高温になったり、影ができたりしてしまうと変換効率に影響を及ぼすことがありますが、化合物はそのデメリットを補うべく、開発されたものです。
CIS
化合物系の半導体で一番有名なのが、銅(Cu)、インジウム(In)、セレン(Se)の3つの素材を組み合わせて作ったものです。
温度や影に左右されないことから安定した発電量を確保することができます。
CIGS
もう一つは、前述の銅(Cu)、インジウム(In)、セレン(Se)の3つにガリウム(Ga)を加えたものになります。
現在まだ研究段階ではありますが、“次世代型太陽光発電システム”と呼ばれる素材を利用した半導体も存在しています。
有機系
文字通り、無機物を利用するのではなく、有機物を利用したものです。有機薄膜太陽電池と色素増感型太陽電池と呼ばれているものがあります。
文字通りこれらの製品は、太陽光パネルに色をつけたり、とても薄型のため、曲げたりして自由自在の太陽光パネルをカタチどれるようになるとも言われています。
ただ実用段階における変換効率や寿命などにおいて、課題が解決できていない状況です。
量子ドット系
量子ドットとは、直径10nm(ナノメートル)という微小な結晶のことを言います。
この微小な結晶を利用することにより、今まで吸収できていなかったエネルギーや波長を活用できるようになり、発電効率が高まるというものです。
こちらもまだ研究段階のものになりますが、一説では、量子ドット系が実用化されれば、変換効率が理論的には70%以上高まるのではないのか、と期待が高まっています。
このように世の中には、様々な素材からできている太陽光パネルが存在しています。
それぞれのメリット・デメリットはもちろんのことですが、やはり太陽光発電所で一番重要なのは、発電量だと思うので、変換効率については、導入前にしっかりと把握することが大切です。
架台に使用されている素材は?
つづいては、太陽光パネルを支えるために設置されている、“架台”がどのような素材でできているかをご紹介します。
架台も実際の見た目は一緒に見えがちですが、これもまた様々な種類があり、作られている素材によって、メリット・デメリットが生じます。
前回のブログでも架台の選び方について紹介しているので、下記と合わせて読んでいただければと思います。
今回は、5種類の架台について説明します。
アルミ架台
アルミ架台はその名の通り、アルミニウムで作られている架台です。
アルミは1円玉でも使用されているのでよくご存知だと思いますが、5種類の中でも一番軽く、穴を開けたり切断したりと加工がしやすく、かつ耐久性が強いという観点から、一番流通しているものになります。
ただ、最近ニュースで騒がれていますが、アルミの価格が高騰し始めています。
原料となる鉱石ボーキサイトの主要生産国ギニアで政変が起き、供給制約への懸念が広がったことが背景。高騰が長期化すれば、アルミを使った製品への価格転嫁などを通じ、消費者にも影響が及ぶ可能性がある。
それを踏まえて、今後どのように変化するか正直わからないところもありますが、アルミ架台は太陽光発電所において、一番主流となっている架台です。
スチール架台
スチール架台は、鉄を主とし微量の炭素を合成させた合金金属でできたものです。
価格は非常にお求めやすく、強度も保てることから、もう一つの主流の架台はこのスチール架台です。
一方で、サビやすいというデメリットがあるため、メッキ加工などの加工が必要であり、重量についてもアルミに比べるとやや重く、施工がしにくいというところが難点です。
ステンレス架台
ステンレス製品はご存知の通り、サビにくく、この5種類の素材の中でも一番耐久性が優れているものになります。
ただし、かなり重くなってしまうので、施工の作業に時間がかかってしまうというのが難点です。
コンクリート架台
意外かもしれませんが、コンクリートで作られた架台の需要が最近上がってきています。
コンクリート素材の特徴は、年月が経てば経つほど、強度が上がっていくという点。
一番寿命が長い架台と言っても過言ではないでしょう。
木製架台
あまり見かけたことはないかもしれませんが、メガソーラーが広がり始めた当初に、木材の新しい活用方法の一つとして導入されたのが、木製の架台です。
木製と言うと、耐久性が大丈夫なのか?と思いがちですが、20年は耐久できるようにしっかりと加工が施されています。
まとめ
今回のブログでは、太陽光発電所で見かける製品の作られている素材について説明しました。見た目は一緒に見えても、実はそもそも利用されている素材が違うという点は意外な部分もあったのではないでしょうか。
太陽光パネルについては、構成されている構成部品も理解した上で、どのようなもので作られているのか、自分が取り入れる環境ではどのような特性が必要なのかをよく考えてから選ぶことが大切です。
最後に
久野商事では、太陽光発電所にまつわる、あらゆる材料の仕入れから設営工事まで一貫して受付可能です!これが必要!あれが必要!となったら、久野商事にご相談ください。
もちろん太陽光パネルや架台についてもご相談ください!一度のご発注で、仕入れから設置工事・納品までスピード対応です!自社倉庫もあるので、在庫があればすぐに対応可能。
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