2022.12.13
お役立ちコラム 太陽光
失敗しない太陽光発電の運用について
みなさん、こんにちは。
久野商事の久野でございます。
2022年は脱炭素や原子発電所の停止からロシアによるウクライナ侵攻などの影響により、電力不足が深刻な問題になりました。
その結果、政府から節電の協力について要請もあり、再生可能エネルギーが重要視されています。
再生可能エネルギーの中でも太陽光発電は今でも伸びる市場になります。
また、太陽光発電は申請に時間がかかり、運用していく中でいくつかトラブルが起きます。
そこで今回は太陽光発電について検討されている方を対象に、申請時のトラブルや運用していく中でよくあるトラブルから対策までご説明させていただきます。
目次
太陽光発電所の申請から運用までの流れについて
まずはじめに太陽光発電所の申請から運用までの流れを説明します。
①電力会社への申請手続き
はじめに電力会社に接続契約の申し込みをおこないます。
問題がなければ、申し込みから3ヵ月程度で接続契約の締結がされます。
契約の申込方法は電力会社によって変わりますが、契約したい電力会社に事前に問い合わせして確認しましょう。
②経済産業省に事業計画認定の申請
接続契約の締結完了後に、再生可能エネルギー電子申請から事業計画認定のオンライン申請をおこないます。
書類に不備があった場合は再度申請する必要があるため余計に時間がかかります。
尚、事業計画認定の申請についてはコチラで詳しく説明しておりますので、ぜひご覧ください。
③太陽光発電設備と工事の発注
申請後、太陽光発電設備と工事の発注をおこないます。
設備の状況によって納品までに1年以上かかるため、早めに発注しましょう。
④電力供給開始
電力会社への申請から完工まで約1年から2年で電力供給を開始することができます。
また、運転開始1ヵ月後に設置費用報告をおこない、運転を開始した月もしくは翌月に毎年1回の頻度で運転費用報告もおこなう必要があります。
尚、定期報告についてはコチラのページをご参考にしてみてはいかがでしょうか。
太陽光発電の申請する時に起こるトラブルについて
太陽光発電をはじめるにあたって、電力会社や経済産業省に申請をおこなう必要があります。
よくあるケースとして事業計画認定申請でトラブルが起きるため、ここでは太陽光発電所の申請時に起きるトラブルについて事例と対策について説明していきます。
接続契約
事業計画認定申請をおこなう前に、電力会社と接続契約を締結する必要があります。
また、2017年4月のFIT法改正前は太陽光発電所設置後の締結が認められていたため、過去に太陽光発電所を設置経験者が誤るケースが多いかもしれません。
入力不備
事業計画認定申請は電子申請でおこないます。
紙と比べてすぐに修正できますが、再生可能エネルギー電子申請の場合は申請後にキャンセルすることができません。
ミスの大小に関わらず、はじめからやり直すため事前に確認しましょう。
駆け込み申請
年度末に駆け込みで申請をおこなう方が多くいます。
申請に不備がなければ問題ありませんが、駆け込みになるため焦ってしまい、申請に不備がある方もいます。
申請が年度末になるため、万が一、来年度の受理になった場合はFIT(固定買取価格)が下がる可能性があります。
時間には余裕をもって申請しましょう。
また、予算に余裕がある場合は、実績のある申請代行業者の利用を検討することをおすすめします。
太陽光発電の運用する時に起こるトラブルについて
太陽光発電は運用でも多くのトラブルがあります。ここでは太陽光発電運用前後のトラブルについて説明していきます。
シミュレーション
あくまでシミュレーション数値のため、稼働した際に想定発電量が下回る可能性があります。
個人的には想定より10%〜15%ほど低くなることを前提に考えることをおすすめします。
また、メーカーによっては出力保証というものが用意されているため、シミュレーションを下回った場合は修理や交換をしてもらえるためメーカーに相談しましょう。
それでもリスクを抑えたい方はセカンダリー物件がおすすめになります。
中古の太陽光発電所ではFIT単価が高額ではなく、発電実績もあるため安心して購入することができます。
セカンダリー物件についてはコチラで詳しく説明しておりますので、ぜひご覧ください。
初期費用
初期費用の回収期間が計画とズレることがよくあります。
物件の売買サイトに記載されている利回りのほとんどは表面利回りになるため、実際と異なります。
私個人としては購入後もメンテナンスが必要なため、ランニングコストを含めた実質利回りで考えた方がいいと思います。
業者選定
太陽光発電は高額なお金で取引されるため、業者選定は重要になります。
業者の中には架空物件を紹介したり、架空名義で建設した太陽光発電所を取り扱っているケースがあります。
また、部材高騰もしているため、倒産する業者も増えており、メンテナンスや手続きの依頼ができなくなるため、信用できる業者を選びましょう。
私のおすすめは必ず複数の業者から相見積りを取るようにしましょう。
見積
見積もりを確認する際には見積の総額内訳とkW単価が重要になります。
例えば、複数会社からの見積もりは条件を揃えなければ正しい比較ができません。
設置場所
設置場所が発電量に大きく影響を与えます。
例えば、日当たりが悪い場所だと発電量が少なく、近くに民家などがある場合は太陽光パネルの反射光が原因で近隣住民からクレームを受ける可能性があります。
事前に設置場所は写真で見るだけではなく、現地に行き自身で確認しましょう。
保証や保険
太陽光発電所は20年という長期間運用する設備となります。
そのため、万が一の場合に備えて保証を付けたり、保険に加入することでリスクを減らすことができます。
出力保証
設置した太陽光発電の発電量が規定値を下回った場合にメーカーが修理や交換をしてくれる保証になります。
出力保証を受けるためには規定値を下回ったことを証明する必要になるため、発電量の確認と記録をしておきましょう。
システム保証
太陽光パネルやパワーコンディショナーが突然故障した時に適用できる保証となります。
例えば、パワコンや周辺機器が故障すると発電が停止してしまうため、システム保証を付けることをおすすめします。
また、標準のシステム保証が切れた後にパワコンが故障した場合は追加で費用が掛かるため、予算に余裕がある方は延長保証をつけることをおすすめします。
保険
太陽光発電所は保証だけでなく、火災保険や地震保険などもかけることができます。
地震や大雨で地盤が緩む地域は架台が歪んで太陽光パネルが破損したり、台風により太陽光パネルが飛ばされる事件が起こっています。
例えば、保険に加入していない場合は自然災害による被害で多額の費用が必要になります。
日本は自然災害も多いため、個人的には保険の加入はした方がいいと考えます。
尚、太陽光発電における自然災害についてはコチラで詳しく説明してますので、ぜひご覧ください。
メンテナンス
太陽光発電所は長期運用するため、定期的なメンテナンスが必要になります。
メンテナンスを怠った結果、設備不良に気づかず修理代が掛かる話をよく聞きます。
とくにパネル洗浄や雑草処理は発電効率の低下に繋がります。
例えば、パネルは汚れが原因で影になり、効率よく発電がおこなえなくなります。
さらに、伸びた雑草がパワコン内部に侵入してショートしたり、ホットスポット現象が発生して、火災が発生します。
ホットスポット現象についてはコチラで詳しく説明しておりますので、ぜひご覧ください。
また、メンテナンスは見落としや怪我をする可能性があるため、業者に依頼するようにしましょう。
尚、太陽光発電所のメンテナンスについてはコチラで詳しく説明しておりますので、ぜひご覧ください。
節税
太陽光発電における導入費用の経費計上と先端設備導入計画と消費税還付の3つの節税について説明します。
導入費用の経費計上
太陽光発電の設備やメンテナンス代は経費として計上することができます。
忘れずに経費計上しましょう。
先端設備導入計画
太陽光発電では償却資産税が優遇される先端設備導入計画というものがあります。
先端設備導入計画を利用することで大きく減免することができますので、忘れずに申し込みしましょう。
先端設備導入計画についてはコチラの動画が参考となります。
消費税還付
太陽光発電に使った初期費用の消費税が売電収入の消費税を上回っている場合に超過している金額が戻ってくる制度になります。
この制度は3年間で100万円ほど節税できるため、おすすめになります。
尚、申請に必要な手続きについては、税理士に相談することも損をしないための対策になります。
税理士に依頼する前に税理士費用がコストに計上の可否や自身でも事前に調べましょう。
まとめ
今回は太陽光発電における申請と運用時に起こるトラブルと対策について説明していきました。
太陽光発電はリスクが少なくメリットも多い市場ですが、デメリットもあるため大きな損失を起こす可能性もゼロではありません。
リスクを減らすためには事前に知識をつけて準備しましょう。
尚、久野商事では太陽光発電に関わる部材をすべて取り扱っており、工事まで対応しています。
太陽光発電に関する不明点や疑問等がありましたらお気軽にお問い合わせ下さい。