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地球にやさしいと次世代のエネルギー源にとして注目されている「太陽光発電」。
今では家庭用に太陽光発電が取り入れられ、また車を走らせている際よく平地で野立て太陽光発電を見かけるようになりました。
今回のブログでは、これから野立てを建てようかと思ってらっしゃる方や基礎工事でお悩みの方に読んでいただければと思います。
スクリュー杭基礎をについて解説いたします。
目次
スクリュー杭基礎とコンクリート基礎の違い
まず、野立て太陽光発電を設置する手順として、最初に整地をします。
土地はなるべく平らであるほうがいいとされており、設置場所の天候や立地の影響などで発電の悪影響にならないか事前に確認することが大切です。
整地が終われば、本日メインに解説する基礎工事についてです。
基礎工事にも種類があり、状況によって使い分けます。
そして雑草が生えている場合が多いかと思いますが、防草シート等などを利用し雑草を防ぎます。
雑草対策については下記記事にて紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
太陽光発電所の雑草対策 なぜ雑草対策が必要なのか
基礎が整ったら架台を組み立てパネルも設置します。
部材の設置がすべて完了したら電気設備工事に移ります。
最後に野立ての周りをフェンスで囲ったら終了です。
フェンスの設置は2017年4月1日の改正FIT法により20㎾以上の太陽光発電所にはフェンスの設置が義務付けられました。
これが簡単な野立て太陽光発電の設置の流れになります。
太陽光のフェンス設置につきましては下記記事に纏めておりますので、ぜひご覧ください
太陽光発電所のフェンス設置は義務!費用感 や設置基準について解説
さて、本日メインで解説する基礎工事ですが、以前まではコンクリート基礎が主流でした。
最近ではスクリュー杭が注目されております。
ではその違いを見ていきましょう。
コンクリート基礎
コンクリート基礎は、型枠などを利用して、コンクリートを打つ工法です。
耐久性と強度が高く、雑草が生えることもないため見た目がきれいです。
ですがコンクリートが固まるまでの待機時間が長く、整地にも手間がかかり設置費用も高いです。
スクリュー杭基礎
スクリューとは英語で「ネジ」という意味でその名の通り、ネジの形をした杭でございます。
このスクリュー杭を地面に打ち込み固定。これを基礎に架台やパネルを取り付けます。
スクリュー杭の場合、整地にもあまり手間がかからず、ある程度デコボコした土地でも構いません。
なぜなら、90㎝程度の高低差の土地なら、スクリュー杭の選択で自由に高さを一本ずつ合わせることができ、架台を乗せるための基礎を平らにできます。
コンクリート基礎に向いている土地
コンクリート基礎は費用も高く、施工時間も長いです。
ですが、スクリュー杭では土地に合わずこのコンクリート基礎がもってこいの土地があるのです。
それは硬い地盤の土地です。なぜ硬い地盤が良いかは重さに耐久できるからです。
コンクリート自体の重量と架台・太陽光モジュールとなるとかなりの重さになるため、軟弱地盤だと沈んでしまい、コンクリートが割れたりといったことが考えられます。
一概には言えませんが、地震などにより液状化が発生した場合にも同様の問題が発生する可能性もあります。
また粘土地盤、小石が混じる地盤、30㎝程度の高程度がある場合もコンクリート基礎は適しております。
ただ、あまりにも柔らかすぎる土地と、50㎝以上ある高低差の土地には向いていません。
スクリュー杭基礎に向いている土地
スクリュー杭の魅力は低価格と短時間の施工時間かと思いますが、どのような場所に適している基礎なのか見極めるのは大切なことです。
基本的にやわらかい軟弱な地盤はNGです。スクリュー杭は簡単に打設できますが、その分トラブルが起きやすくなってしまいます。
架台やパネルの重みに耐えられないとスクリュー杭が沈んでしまい一本ずつ調整している杭のバランスが悪くなり、崩壊につながります。
また障害物が多く地中に埋まっている土地もスクリュー杭がうまく打設できないこともあります。
地盤が固い場合は、先行堀削を行ってスクリュー杭を打ち込みます。
先行堀削とはスクリュー杭打設前に、先行して孔を掘ることで、スクリュー杭を打てるようにすることです。
スクリュー杭基礎は、粘土地盤や高低差がある土地に向いているとされています。
スクリュー杭施工の種類
スクリュー杭の打設方法は一つではありません。
地盤の固さや条件に合わせて、打設方法や重機を変えることで様々な種類がございます。
オーガー打設
オーガー打設は一般的によく行われている施工方法です。
やわらかい土質から標準的な硬さの土質なら打設可能です。
ですが、地中に石や岩盤がある土地や表層にコンクリートやアスファルトが敷いてあった場合は、打設できません。
使用される機械のひとつは「アースオーガー」といい、電動機を回すことで、接続したスクリューを回転させて地中に埋め込む機械です。
ラミング工法
ラミング工法とは、専用の機械を使って杭を地中に埋めてく方法です。
オーガー打設のような回転していれるスクリュー杭の施工はできませんが、支持が得られる地盤の深度が深い場合などに、C型チャンネルやH鋼を打設することが可能です。
小石を含んだ地盤には向いておりませんが、コンクリートを使用していないため、工期を短縮できます。
キャストイン工法
スクリュー杭やC型チャンネルよりも一回り大きく掘削した後に、セメントミルクを流し込む工法です。
メリットとして、大きめに掘削することで、杭の位置をピンポイントに設置することができます。
ただしその分費用と時間がかかってしまいます。
スクリュー杭基礎のメリット
杭うちの選択肢にスクリュー杭を選ぶことでたくさんのメリットがあります。
ですが、その反面デメリットもあります。
メリットだけではなくデメリットも理解したうえで、いちばん状況に適した基礎を選択することが大切です。
材料、施工費が安価
国産のスクリュー杭は中国産と比べるとやや高めです。
中国製は他の基礎資材に比べてかなりコストを抑えられます。
また施工が簡単な為、他の工法と比較すると工事費も安価です。
杭の値段は長さにもよりますが、値段は大体2,000円〜5,000円です。
コンクリート基礎より短い施工期間で出来る
スクリュー基礎はコンクリート基礎と違い、杭を打ち込むだけなので、造成工事やコンクリートが固まるのを待つ必要がないため、1/3の工期で済みます。
土地の造成費用を抑えられる
土地が多少ぼこぼこしていても、平らに造成する必要はなく、杭の打ち込み深度を変え、同じ高さに調整すれば平らにできます。
また、廃棄をする際は杭を引き抜くだけなため、コンクリート基礎に比べて撤去費用も抑える事が出来ます。
リサイクルが可能
もう太陽光の売電期間が終了しても、スクリュー杭はネジなので反対に回せば簡単に外せます。
またオールスチール素材なので、リサイクルが可能になります。
廃棄コストが大幅に削減できます。
スクリュー杭基礎のデメリット
汎用性が高く、メリットはたくさんありますが、スクリュー杭にも以下のようなデメリットがあります。
地面に大きな障害物があると打ち込めない
先ほども記載されていますが、地中に石や木の根っこがあると、スクリューが入っていきません。
その場合所が異物を取り除ける範囲なら取り除くか、杭うちの位置をずらします。
地盤の弱い土地には打ち込めない
ぬかるんでいる土地やサラサラとした砂状の土地に杭を打ってしまうと、十分な引き抜き強度が保持できず、杭がずれたり、抜けてしまうことで架台や太陽光モジュール破損してしまう恐れがあります。
腐食しやすい
リサイクルができるとメリットとされていたオールスチール製ですが、錆による腐食は免れません。
特に沿岸部などでは、塩害に注意する必要があります。
より長く杭を持たせるためには、定期的なメンテナンスが重要となってきます。
まとめ
ここまでスクリュー基礎がどのようなものか解説してまいりました。
今後さまざまな条件での施工があるかと思われます。
久野商事では土地や状況に応じて最適なご提案をさせて頂きます。
このご時世ということも考慮してオンラインでのお話しも対応しております。
また他にも弊社ではフェンスや防草シートをメイン多くの資材を取り扱っております。
ご不明点、気になる点あればいつでもご連絡くださいませ。