2021.01.26
防獣・獣害対策
鹿の獣害被害に有効な対策について【獣害対策】
更新日:2023年3月6日
みなさん、こんにちは。久野商事の久野でございます。
2019年は野生動物による農作物被害は被害金額で約158億円といわれており、深刻な問題となっております。
特にニホンジカの個体数が増加しており、農作物や森林の植物を食べてしまう問題が日本各地で発生していることをご存じでしょうか。
そこで今回は獣害の中でも鹿をテーマにし、鹿の生態から有効な対策について解説していきます。
目次
鹿の被害内容について
まずは鹿による被害を具体的に解説していきます。
鹿の被害の内容
最も被害の多かった2011年に比べると害獣全体の被害は減少傾向にありますが、鹿被害は常に害獣被害の多くを占めています。
引用元:https://www.env.go.jp/nature/choju/docs/docs5/imatora_fin.pdf
鹿などの鳥獣により森林から農地、緑地まで幅広く被害にあっています。
特に森林では、鹿により樹皮を食べられることにより木が枯れてしまうこともあり、林業への影響だけでなく他の野生動物の食べるものがなくなり生態系を壊してしまう恐れもあります。
引用元:https://www.env.go.jp/nature/choju/capture/higai.html
鹿の生態について
次に鹿の生態について説明します。
繫殖力
オス1頭と1頭以上のメスが群れをつくり毎年1頭以上繁殖します。
寿命の長さ
オスで4〜6年、メスで6〜8年生きるといわれています。
食事
鹿は草食動物でほぼすべての樹皮や植物を食べるといわれています。
特徴(その他)
2021年時点で、全国(北海道を除く)のニホンジカの推定生息数は305万頭といわれています。2023年には生息数が約1.5倍まで増加する結果となり、ニホンジカの生息数を減少させるためには、いまの2倍以上の捕獲を行う必要があることがわかりました。
引用元:https://www.env.go.jp/nature/choju/capture/higai.html
鹿が増えた原因について
1978年から2014年までの36年間で、ニホンジカの生息数は約2.5倍に増えました。
実際に国内で鹿が増えた原因についても説明していきます。
①餌となる緑地などの増加
地球温暖化による積雪量の減少により鹿にとっては冬季でも餌の確保が容易になりました。
造林・草地造成により自然が増えたことや、高齢化により過疎化の進んだ耕作放棄地の拡大
などが原因で鹿が増えたと考えられます。
②ハンターの減少・高齢化
ハンターの数は、約53 万人(1970 年度)から約18 万人(2010 年度)まで、6 割以上減少しました。また高齢化が進み、2010 年度ではハンターの60 歳以上の方が6割を超えています。
③捕獲規制の緩和の遅れ
2007 年までメスジカは禁猟とされていましたが、増え続ける鹿の生息数に対して捕獲規制の緩和が遅れたことにより生息数のコントロールができていませんでした。
引用元:https://www.env.go.jp/nature/choju/docs/docs5/imatora_fin.pdf
鹿の対策事例について
ここからは鹿に対して私たちはどのような対策をすればいいのか説明していきます。
①におい
鹿の天敵であるオオカミの尿で鹿を追い払うことができます。
②威嚇
音の出る機械や光の出る装置を設置し追い払うことができます。
さらに、オオカミの鳴き声や銃声などを鳴らし、その音で鹿を近づかせない方法や、LEDセンサーで鹿が近づくと点灯させる方法もあります。
このような機械は、柵が設置できない場所にもつけることができますが、光や音に鹿が慣れて侵入してきてしまう恐れがあります。ただし、長期的に使用した場合、光も音も効果が薄れてきてしまうので定期的に光や音の種類などを変える必要があります。
ライトや音による対策方法については、ライトで獣害対策!おすすめグッズ5選!や、音で獣害対策!おすすめグッズ5選!をご覧ください。
③侵入防止
フェンス・電気柵などの物理的な防護策が有効になります。
また、鹿は飛躍力があるため1.5〜2mほどの高さのある柵やフェンスが必要になります。尚、鹿の体重は40〜110キロまでになるため、フェンスの強度も必要になります。
電気柵については、電気柵で獣害対策!おすすめグッズ7選!で詳しく説明しておりますので、こちらも併せてご覧ください。
④捕獲
原則として狩猟免許が必要になり、捕獲方法として大型囲いわななどがあります。
捕獲された鹿は埋設処理か焼却処理されます。
埋めた場所で臭いや環境被害が起こったり、焼却処理する場合も1頭あたり約1〜2万円の費用がかかりますが、これらは全て税金で賄われています。
引用元:https://komoro-premium.jp/damage-situation/
国がおこなっている害獣対策について
環境省と農林水産省は、2013年12月に策定した「抜本的な鳥獣捕獲強化対策」において、「ニホンジカやイノシシの生息数を10年後(平成35年度(2023年度))までに半減する」ことを当面の捕獲目標とし、抜本的な捕獲強化に向けた対策を推進することとしました。
①認定鳥獣捕獲等事業者
都道府県等が捕獲を実施する指定管理鳥獣捕獲等事業を創設し、 交付金による支援を行っています。また捕獲手法(大型囲いわな、高度な射撃技術等)を開発しています。
②ハンターの育成・確保
鳥獣の捕獲について、安全性を確保し適切かつ効果的に実施できる事業者(法人等)を都道府県が認定出来る制度を導入しています。また若手狩猟者の確保を図るため、狩猟免許取得に向けたフォーラムを開催しています。
引用元:https://www.env.go.jp/nature/choju/capture/taisaku.html
まとめ
今回は獣害の中でも鹿(二ホンジカ)を中心に説明させていただきました。
地球温暖化などの影響もあり、野生動物との共存は永遠の課題になると考えています。
特に生息数が急増している鹿と共存していくためには、捕獲を進め生息数や生息分布を適正に管理しなければなりません。
記事を読んでいただき、鹿の生態を理解してもらい、適切な対策の参考になりましたら幸いでございます。
尚、久野商事では鹿などを含む動物からの被害を抑えるために有効なフェンスの提供から工事までおこなっております。
ご興味がある方はお気軽にコチラからご相談ください。