2021.11.30
お役立ちコラム
第二弾!再生可能エネルギーとは? 種類と特長について徹底解説
みなさん、こんにちは。久野商事のブログをいつもお読みいただきありがとうございます。
今回のテーマは、前回の第一弾に引き続き“再生可能エネルギー”についてです。
前回の徹底解説では、主に、“発電”と呼ばれている再生可能エネルギーについて説明をしました。
今回の再生可能エネルギーは、“熱利用”と呼ばれている、自然で発生している熱やしくみを利用して、冷暖房や給湯を助けることによって、二酸化炭素の排出削減や省エネにつながるエネルギーについて解説したいと思います。
目次
再生可能エネルギーとは?
再生可能エネルギーについては第一弾で詳しく説明しておりますので、そちらをご覧ください。
太陽熱利用システム
まず初めに、太陽熱利用システムについてです。
この言葉はあまりなじみがないような感じがしますが、太陽の熱を利用して、お湯を沸かす力を起こす仕組みで、病院や学校などではすでに取り入れ実績が多い再生可能エネルギーの一つです。
太陽熱利用システムについては下記記事にて詳しく説明しておりますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
温度差熱利用
温度差熱利用とは?
これは、大気の気温と地下の水の温度の差によって生み出されるエネルギーを利用したものです。
地下水、海水、河水や下水などの地下に埋まっている水源は、基本的には1年中冷たい状態であり、逆に大気中の気温は季節によって変化します。
その温度差を利用し、ヒートポンプと呼ばれる熱交換器を通すことによって、生み出される蒸気をエネルギーとしているものです。
引用元:温度差熱利用/札幌市
温度差熱利用の特長
温度差熱利用についても、エネルギーを作り出すシステム構造上では、燃料を燃やすという工程がないため、クリーンなエネルギーとされています。
また、必要とするエネルギー源が、大気にある空気の熱と地下を通っている水なので、電力が多く消費される都市部でも、これらのエネルギー源が豊富にあり、供給場所と消費場所が非常に近くできるという点が特長です。
温度差熱利用ができる場所
基本的な考え方としては、大気にある熱と地下に通っている水があればこのしくみを利用することができるので、対象地域は幅広くあります。
また、温泉熱利用といって、温泉の源泉である熱湯を使って給湯する熱利用方法もこの温度差熱利用に含まれるので、温泉地などでの利用も可能です。
温度差熱利用のメリットとデメリット
メリットとしては、前述の通り、エネルギーの源となる水の種類は海水や河水も対象であり、大気中の熱においては、気候での暑さはもちろんのこと、エンジンや室外機から排出される温風などでの気温上昇も対象となるので、エネルギー源が半永久的に世の中には作り出されているということになります。
一方デメリットとしては、設備を作るためには、莫大な敷地と費用がかかるという点でしょう。
また敷地内の地下を通る水が誰の所有であるかも解決しなければいけないことになります。
さらにこれらの設備機器は価格が高いのに加えて、生活範囲圏内、すなわち都市部での建設を考えるときには、景観や騒音などの問題も出てきます。
温度差熱利用の事例
「資源エネルギー庁」から引用した事例をいくつかご紹介します。
中之島三丁目熱供給センター
出典:温度差熱利用|再エネとは|なっとく!再生可能エネルギー
堂島川と土佐堀川という2本の河川に挟まれた地形を活かし、大気と河川水の温度差を活用。100%河川水に依存した形態の、河川水活用地域熱供給施設としては全国初。
サンポート高松地区地域冷暖房施設
出典:温度差熱利用|再エネとは|なっとく!再生可能エネルギー
香川県のサンポート高松地区では、瀬戸内海に面する特性を活かし、海水の温度差エネルギーを活用した地域熱供給施設を高松港旅客ターミナルビルの地下に設置。夜間電力を利用したヒートポンプ蓄熱方式により49℃の温水と5℃の冷水をつくり、配管を通してエリア内の施設に供給している。
地中熱利用
地中熱利用とは?
地熱発電とは、太陽光などにより発生している大気の熱と地中の奥下の気温の差を利用します。
地下10m~15mにもなると、気温の変化が一年を通してあまりなく、一定の気温を保つことから、夏の期間は外気温度より地中の温度の方が低く、冬の期間は地中の温度の方が高いという現象になります。
利用する地熱はさらに奥深いところですが、このような外気温度と地中温度の差でできる蒸気をヒートポンプに通して、地上の冷暖房用のエネルギーや給湯用として使用することができます。
引用元:地中熱利用|再エネとは|なっとく!再生可能エネルギー
地中熱利用の特長
冷暖房に利用するエネルギーを排出する際に、屋外に熱を放出しないので、外気の温度が上がったりせず、二酸化炭素の排出もほぼありません。
さらにエネルギーを作り出すときに動かしている設備の音が非常に小さいのが特長です。
地中熱利用ができる場所
利用するエネルギーが地中にある熱なので、寒暖差がある場所で利用できます。
基本的には、日本であればほとんどの地域で寒暖差があるので、ほぼどこでも利用が可能ですが、都市部の住宅街での設営も可能と言えるでしょう。
地中熱利用のメリットとデメリット
メリットは、冷暖房においての節電効果をもたらし、それに纏わる電気代と燃料代の節約、そして二酸化炭素排出削減など、たくさんあります。
一方で、デメリットとしては、外気温によって効果に差があったり、まだこの設備の施工の事例が少なく、信頼できる(精度が良い)データが十分でないことが挙げられます。
地中熱利用の事例
「資源エネルギー庁」から引用した事例をいくつかご紹介します。
鈴廣かまぼこ株式会社 鈴廣かまぼこ惠水工場
省エネルギー、再生可能エネルギーの導入をすすめる鈴廣 かまぼこの里において、新たに惠水工場への地中熱利用による空調設備導入。既設のガス焚冷温水発生器からの燃料転換。同工場内事務所(1,500m²)および製品包装作業所(500m²)の空調を賄う。
イケア・ジャパン株式会社 IKEA長久手
再生可能エネルギーの推進、導入を積極的に進めるイケアにおいて、国内10店舗目となる長久手店に地中熱利用による空調設備を導入。
国内の店舗では福岡、立川に続き3店舗目の地中熱利用導入。空調利用の再エネ率40%を賄う。建物は3階建、延床面積60,000m²弱。
雪氷熱利用
雪氷熱利用とは?
雪氷熱(せっぴょうねつ)とは、漢字からなんとなく推測できるかと思いますが、雪や氷を利用して、冷却効果を生み出すことを指しています。
積雪がある地域で、冬の間に積もった雪や冷たい外気を利用して凍らせておいた氷などを一定の期間保管し、冷却が必要なときや季節(主に夏場)にこれらを使用するというものです。
引用元:雪氷熱利用/札幌市
雪氷熱利用の特長
冬になると蓄積できるエネルギーになるため、資源としては豊富にあると言えるでしょう。
雪氷熱利用ができる場所
ご想像のとおり、地域の気候によって、利用できる場所が決まってきます。寒冷地と呼ばれる地方限定の熱利用です。
雪氷熱利用のメリットとデメリット
ニュースでよく見かける雪かき。雪をかきわけるだけでなく、雪は除雪をしたのちに、排雪も必要なことをご存知でしょうか。
除排雪と言われているものは、実はコストがかかるものなのです。
そんな中で、不要な雪を積極的に利用することによって、新たなエネルギーを生み出すことができる点は、メリットと言えるでしょう。
もちろん、二酸化炭素の排出の削減や省エネというメリットもあります。
ただし、利用できる地域が限定されることがデメリットと言えるでしょう。
実際、日本国内でこの雪氷熱利用を利用できる地域は、北海道などのいわゆる寒冷地と呼ばれる地帯のみなので、少ないのが現状です。
雪氷熱利用の事例
「資源エネルギー庁」から引用した事例をいくつかご紹介します。
JAびばい「雪蔵工房」
国内最大となる3,600tの貯雪量を
誇る玄米貯蔵施設。全空気式雪冷房により庫内を温度5℃、湿度70%の低温環境とし、常に新米の食味を提供している。運転停止や温度調整も可能で、消費電力は従来に比べ1/2以下となっている。
ガラスのピラミッド 雪冷房施設
冬季、札幌市モエレ沼公園内に積もった雪、約3,000m3を貯雪庫に貯蔵して、6~9月のガラスのピラミッド館内冷房の冷熱源として利用している。冷熱発生に電力を使用しないことで、年間約30tのCO2削減効果が見込まれている。
最後に
“再生可能エネルギー”第一弾・第二弾と、最近注目し始めている再生可能エネルギーから、あまりまだ世の中で知られていないものまでを一気にご紹介しました。
いかがでしたでしょうか?ご自身や会社ですでに取り組まれている再生可能エネルギーはありますか?
一人の力なんてちっぽけかもしれませんが、環境への取り組みとは、一人ひとりの力が積み重なって結果が出るものなのです。
私たち個人でも今すぐ取り組める“再生可能エネルギー”。
それはやはり“太陽光発電”になります。ご存知の通り、昨今では個人宅の屋根上やカーポート上に設置して、自家発電を行ったり、残った電力は売電するというしくみを導入する方が増えてきています。
久野商事株式会社では、野立ての太陽光発電設備から個人宅の太陽光発電設備にまつわるすべての機器を取り扱っており、実績も豊富です。
これからの地球のために、次世代の子供たちのために、何か始めなければ!と思い立ち、太陽光発電の設置を検討し始めたら、まずは久野商事にご連絡ください。
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