みなさん、こんにちは。久野商事の久野です。
今回は野立て太陽光システムを建てる上で必要な「架台」について説明させていただきます。
架台は太陽光発電における発電効率に影響を与えます。
そのため、耐久性・安全性のみならず設置する場所や環境に合わせて最適な架台を選ぶ必要があります。
みなさんが太陽光発電所の設置で失敗しないために架台の種類や設置する際の注意事項など説明していきます。
目次
野立て太陽光に必要不可欠な架台とは?
架台は設備機器などを設置するための台のことを指しています。
野立ての太陽光発電所に設置してある架台は地面用架台とも呼ばれてます。
環境によって多くの種類の高さや材質のものがあり、施工方法も異なりますので、予算や環境に合った物を選ぶことが重要になります。
架台の種類と特徴
はじめに架台の種類と特徴について説明します。
ステンレス架台
耐久性が高く丈夫で錆びに強い架台になります。
一方で強度が高いため、重量があり現場で自由に加工することが難しいという特徴があります。
また、他の材料と比べて高価であり、撤去の際にリサイクルすることができないため、処分費用が必要となります。
錆びに強いため塩害地域などに向いていますが、種類によっては錆びます。
選ぶ際には塩害対策仕様の製品を選ぶことをおすすめします。
アルミ架台
アルミニウムで作られているため軽量で表面処理加工をするため錆びに強い架台になります。
アルミは他の素材と比べて安価で、撤去する際にリサイクル出来るため、撤去費用を抑えることができます。
一方で強度が劣るため架台の成型や設置に工夫が必要となります。
スチール架台
本来はスチールを利用しているため錆びやすいですが、亜鉛メッキやZAMやMACなどでメッキ処理がおこなわれているため、錆びに強い架台になります。
ステンレスと同様に重いため強度は高くなります。
しかし、加工した際、加工部分はメッキ処理をほとんどおこなわないため、その部分が錆びやすくなります。
安価な素材ですが加工が難しいため、加工が多い場合は価格が高くなってしまうので注意が必要になります。
また、撤去の際にリサイクルすることができないため、処分費用が必要となります。
フロート架台
水上太陽光発電に利用する架台になります。
水上太陽光発電についてはコチラで詳しく説明しておりますので、ぜひご覧ください。
フロート架台はプラスチックなど浮きやすい素材が利用されています。
主に「1フロート・1パネル」タイプと「1フロート・1アレイ」タイプの2種類があります。
「1フロート・1パネル」はその名の通り、浮力を担う部材1つごとに1枚の太陽光パネルを固定するため、フロート部分が小さく、台風の多い日本だと安定性に欠けます。
「1フロート・1アレイ」タイプはアレイ毎に1フロートを利用するため、1フロート辺りの面積が広く台風の多い日本でも安定します。
引用元:フロート/フロート架台 とは
架台を支える基礎の種類
基礎とは架台を地面に固定するためのものになります。
丈夫な基礎でないと架台の強度が弱くなり、壊れてしまうことがあります。
今回は代表的な2種類の基礎について説明していきます。
コンクリート基礎
コンクリートブロックを利用した基礎となります。
主に置き基礎、布基礎、ベタ基礎の3種類あります。それぞれ説明していきます。
置き基礎
コンクリートブロックを地面に置く基礎になります。
ブロックを置くだけのため、施工性は良いですが、安定性に欠けます。
布基礎
地面を掘ってコンクリートを流し込む事で土台を作ります。
その上に架台を固定するための型枠と鉄筋を設置して、さらにコンクリートを流し込みます。
見た目は凸字形状でコンクリートの量を抑えながら強度と重量を確保できるため、コンクリート基礎の中でも多く採用されています。
ベタ基礎
布基礎と異なり、架台全体を1つのコンクリートで支え、架台部分は布基礎と同様に凸形状で固定をします。
全面がコンクリートのため重量があり、布基礎に比べて安定性は高いですが、使用するコンクリートの量が多くなるので費用が高くなります。
杭基礎
杭を利用して架台を固定する基礎となります。
主に単管基礎とスクリュー杭基礎の2種類があります。
単管基礎
単管形状の杭を打ち込むことで架台を固定します。
基礎としてだけではなく、単管パイプそのものを埋め込んで架台とすることもあります。
スクリュー杭基礎
ネジ付きとなりグランドスクリュー杭とも呼ばれます。
杭打機で打ち込むだけのため、施工は容易ですが、スクリュー杭の強度は地盤の硬さによって変わるため、地盤が柔らかい土地には向きません。
架台の設置ポイント
最後に架台を設置する際に気を付けたいポイントについて説明します。
角度
架台の角度をどれくらいに設定するのか決めていきます。
一般的に架台の角度は30度と言われてますが、最適な架台の角度は地域や環境によって大きく異なります。
たとえば、積雪地域は雪をすぐに落とせるように角度を30度以上に設置します。
地域によって日照時間も異なるため、太陽の光が当たりやすい角度にすることをおすすめします。
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構に、日本全国の日照量を調べられる「日射量データベース閲覧システム」という物がございますので、ぜひご活用ください。
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高さ
架台を低くしてしまうことで架台自体の費用を抑えることはできます。
一方でメンテナンスがしにくいため、雑草や雪の影響を受けやすくなります。
また、パワコンのメーカーによって架台の高さに応じて保障外もあるため、注意が必要になります。
一方で高い架台はコストも上がり、風の影響を受けやすくなります。そのため、環境に応じて架台の高さを変えていく必要があります。
一般的に太陽光パネルのもっとも低い部分から地面まで60cm〜100cmある状態、積雪地域の場合は100cm〜180cmとすることが推奨されています。
ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)をおこなう場合は農作業に必要な機器等を効率的に利用できる空間を確保する必要があるため、2.5m〜3m程の高さにすることをおすすめします。
ソーラーシェアリングについてはコチラで詳しく説明しておりますので、ぜひご覧ください。
防錆性
太陽光発電所は20年以上運用するため、架台は容易に取り替えることができない部材のため、防錆性は重要になります。
ステンレス架台は錆びに強いですが、アルミ架台やスチール架台を利用する際は防錆加工がされている製品を選ぶことをおすすめします。
塩害地域で利用する場合は、塩害加工がされているかも併せて確認することをおすすめします。
基礎
地盤の緩い土地にスクリュー杭を利用した場合、台風などの自然災害で架台が崩れてしまいます。設置する土地に合った基礎を選ぶことをおすすめします。
まとめ
今回は野立て太陽光発電における架台の種類や特徴から設置のポイントについて説明しました。
架台は太陽光発電における発電効率に影響するため、環境に合わせた最適な架台を設置しましょう。
私の個人的見解として一度専門家に相談することをおすすめします。
久野商事は架台だけではなくフェンスや防草シートなど太陽光発電に関わる資材を販売しています。
材料の販売のみならず、造成工事から電気工事まで一貫してお請けできます。
みなさんが太陽光発電周りでお困りなことや疑問がありましたら、是非お気軽にお問合せください。