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ソーラーシェアリングについて徹底解説

更新日:2022/11/10

みなさん、こんにちは。久野商事の久野でございます。
突然ですがみなさんは『ソーラーシェアリング』についてどれくらい理解されてますか。

現在、日本では少子高齢化に伴い耕作放棄地が増えており、社会問題となっています。
ソーラーシェアリングはそういった耕作放棄地を活用できる画期的な発電方法として、注目されています。

今回は『ソーラーシェアリング』について説明させていただきます。

ソーラーシェアリングとは?

ソーラーシェアリング

ソーラーシェアリングは農業を行いながら太陽光発電を行うことを意味します。例えば、発電した電力を農業機材の電気として活用したり、売電することで農業以外から収入を得ることができます。別名、営農型太陽光発電とも言います。

日本全国、地域によって天候なども異なりますが農業以外の収入を得ることができるため、注目が高まっています。

ソーラーシェアリングのメリット

ソーラーシェアリングのメリットについて説明します。

固定資産税が安い

通常、農地に太陽光発電所を設置する際は「農地転用」になるため、地目を「農地」から固定資産税が高い「宅地」に変更しなければいけません。
しかし、ソーラーシェアリングの場合は農業を営むため、一時転用という扱いとなり宅地や雑種地などよりも固定資産税を抑えることができます。

農地の固定資産税については、こちらの記事をご参照ください。

耕作放棄地を活用できる

耕作放棄地とは「以前耕作していた土地で、過去1年以上作物を栽培せず、この数年の間に栽培する考えのない土地」のことを指します。

日本では農家の高齢化や跡継ぎができないなどの理由で廃業される方もいます。
その際に土地を買い取り、農業を行いながらソーラーシェアリングを行うことで、耕作放棄地の有効活用に貢献することができます。

適度な日陰ができる

架台の上に太陽光パネルを設置するため、日陰を作ることができます。
適度な日陰ができるため、直射日光を長時間浴びることがなく、高温障害の対策にもなります。

二重で収入が得られる

天候によって農業の収入は左右されてしまいます。
太陽光発電を別の収入源として、安定した収入を得る事ができます。

ソーラーシェアリングのデメリット

ソーラーシェアリングのデメリットについて説明します。

計画立案が必要

太陽光発電のFIT制度(固定価格買取)期間は20年となります。
通常の野立て太陽光発電所であれば、中古物件として売り出すことができます。
しかし、ソーラーシェアリングは農業とセットになるため、中古として販売が難しい状況になります。

おこなう場合は 「20年間の農業と太陽光発電を両立して運営できるのか」といった長期的な目線での計画が必要になります。
また農業を次の世代へ継ぐ場合は「農業とソーラーシェアリングを両方継続できる状態なのか」判断しなければいけません。

一時転用リスク

ソーラーシェアリングを行うには、農地の一時転用許可(農地転用許可)が必要になります。
2022年現在は以下の条件を満たす場合は10年に1回申請し、それ以外の場合は3年1回、一時転用許可申請を行う必要があります。

①担い手が、自ら所有する農地または賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利を有する農地等を利用する場合
②荒廃農地を再生利用する場合
③第2種農地または第3種農地を利用する場合

一時転用では「営農が行われること」が前提条件のため、条件を満たしていないと判断された場合、売電は中止となり設備を撤去しなければいけません。

営農が行われていないと判断される基準は、以下のような基準があります。

①営農が行われていない。
②農地における単収(面積あたりの収穫量)が、同じ年の地域の平均的な単収と比較して概ね2割以上減少している。
③農作業に必要な機械等を効率的に利用することが困難であると認められる。

参考文献:営農型太陽光発電設備について

融資が受けづらい

一時転用のリスクや長期運用の計画が必要になるため、金融機関は「ソーラーシェアリングは長期的に安定して収入を得るにはリスクが高い」と判断されます。

また、通常の太陽光発電設備よりも架台を高くする必要があるため、設備費も通常より高くなってしまいます。結果として初期費用の回収に長い時間が必要となり、融資が受けづらいと言われています。

前提として農業の生産量がしっかりと確保されており、収入の基盤が農業で確立されていることが必須となります。

報告義務

ソーラーシェアリングでは年に1度、営農に著しく影響を与えていない(収穫量が減っていない)ことを市町村の農業委員会に報告する義務があります。
報告の結果、営農に影響があると判断された場合、設備撤去と農地復元の命令が下されます。
ソーラーシェアリングの失敗については主に営農が疎かになってしまうことになります。

ソーラーシェアリングで育てられる作物

ソーラーシェアリングでは田畑の上に太陽光パネルがあるため、光飽和点が高い「きゅうり、ナス、モモ、サツマイモ」などは育てることが難しいと言われています。
そのため、「キャベツ、ネギ、ミョウガ、レモン、サトイモ、ブルーベリー」といった光飽和点が低い作物を育てる事をおすすめします。

ソーラーシェアリングに必要な費用

ソーラーシェアリングを行うのに必要な費用について説明します。

一般的に、50kWの太陽光発電をソーラーシェアリングで設置する場合、約1200万円〜1700万円程掛かります。
通常の太陽光発電所と異なり、架台を高くする必要があるため、費用が高くなってしまいます。
また、農業を行うため、営農の費用も追加で必要となります。

ソーラーシェアリングで利用出来る補助金

ソーラーシェアリングで利用出来る補助金について説明します。
2022年現在、農林水産省から「営農型太陽光発電 システムフル活用事業」としてソーラーシェアリングの補助金が出ています。
対象の設備は「人件費や旅費等、農業機械や電気の自家利用のための設備等の経費」となっており、太陽光パネルや架台等、発電そのものの経費は対象外です。
限度額は補助対象の1/2までで、申請期限は令和5年度までとなっていました。
※公募は終了しました。

現在は「地域循環型エネルギーシステム構築」の営農型太陽光発電のモデル的取組⽀援として、設備設計及び導入実証を定額、1/2以内が補助されます。
詳しくはコチラをご覧ください。

ソーラーシェアリングの実例

現在、稼働しているソーラーシェアリングについて、いくつか紹介します。

SJソーラーつくば発電所

SJソーラーつくば発電所
出典:中国・上海電力が目指す三田市の地域共生型メガソーラー

「SJソーラーつくば発電所」は茨城県つくば市にある国内最大規模のソーラーシェアリングです。
面積は日本国内最大規模の54ha程あり、太陽光パネルは約35MW程設置されています。

「SJソーラーつくば発電所」では高さ2m程の杭基礎を利用して、朝鮮人参やアシタバ、パクチーなどの栽培を行っています。
また、杭基礎の間を3m程にすることで農業用トラクターなどが通れるように設置しているのも特徴になります。

匝瑳メガソーラーシェアリング第一発電所

匝瑳メガソーラーシェアリング第一発電所
出典:成功例から見る! ソーラーシェアリングで地域活性SBIホールディングス株式会社

「匝瑳メガソーラーシェアリング第一発電所」は千葉県匝瑳市にある日本初の「メガソーラーシェアリング向けプロジェクトファイナンス」による日本初のソーラーシェアリングで、主に大豆や麦を栽培しています。

匝瑳第一市民発電所

千葉県匝瑳市にあるソーラーシェアリングで一般市民からの出資で立ち上がった「市民エネルギーちば合同会社(現、株式会社)」が作ったソーラーシェアリングとなります。
特徴は「パネルオーナー制度」を採用している点にあります。
パネルオーナー制度とは、一般市民(オーナー)から太陽光パネルを借り受けて、設置・発電を行い、その発電した電力を電力会社に売ることで得た代金をオーナーに支払うという仕組みになります。
オーナーになるためには太陽光パネルを購入(1枚から購入可能)するのみと簡単なため、日本全国から賛同者が集まりました。

出典:市民エネルギーちば株式会社

株式会社サンフレッシュ小泉農園

株式会社サンフレッシュ小泉農園では大規模なトマト栽培を行っています。
発電出力200kWのソーラーシェアリングを導入したところ、年間600万円もの電気代削減に成功しているそうです。

出典:農林水産省 営農型太陽光発電について 取組事例

 

ソーラーシェアリングに必要な費用

一般的に、50kWの太陽光発電をソーラーシェアリングで設置する場合、製品や施工業者によって異なりますが、約1200万円〜1700万円かかると言われています。
ソーラーシェアリングの場合、土地代などはかかりませんが、遮光率なども考えなくてはいけません。

また、架台に間隔を開けてソーラーパネルを設置する必要があるため、通常の野立ての発電所よりも広い面積が必要になります。
農林水産省の農山漁村における再生可能エネルギーの取組事例  P.11参照にソーラーシェアリングの事例がございますので、ご覧ください。

ソーラーシェアリングでフェンスは必要?

ソーラーシェアリングでのフェンス設置について説明します。
ソーラーシェアリングは野立て太陽光発電所と違い、フェンスの設置義務はありません。
しかし、農業を行っているため、害獣被害が増えてしまいます。
獣害対策についてはコチラで詳しく説明しておりますので、ぜひご覧ください。

また、最近では銅価格高騰の影響で太陽光発電で利用するケーブルの盗難が増えています。
フェンスを設置することで盗難リスクを減らすことが出来ます。
太陽光発電所での盗難についてはコチラで詳しく説明しておりますので、ぜひご覧ください。

ソーラーシェアリングの失敗原因

2022年になり、ソーラシェアリングが広まってきましたが、その中でも失敗してしまう方も多くいらっしゃいます
ソーラーシェアリングの失敗原因でもっとも多いのが、作物の生育不良や販売が上手くいかなかったための、単収(農業収入)の減少です。
営農型太陽光の一時転用の更新の条件として、周辺の農地の平均水準として8割以上と定められており、それが達成できずに失敗するケースが増えています。
ただ、平均水準の8割を達成できなかったからと言ってすぐに撤去を求められる訳ではなく、その状態が数年続いた場合に撤去命令が出されるため、まじめに営農をしていれば撤去を命じられることはありません。

また、失敗の原因としてあるのが架台設置による日照量不足です。
ソーラーシェアリングの性質上、畑の上にソーラーパネルを設置するため、通常の畑よりも日照量が不足気味となります。
そのため、光飽和点が高い「トマト、ナス、ピーマン」などは生育出来なかったり、生育不良となってしまうことがあります。
もし日照不足による生育不良が原因の場合は、育てる作物を光飽和点低い作物に変える事で改善する可能性があります。

まとめ

今回はソーラーシェアリングについて説明させていただきました。
農業を行いないながらできるため、野立て太陽光発電所に変わる新たな発電方法として、世界でも注目されています。

農業も実施するため害獣・防犯対策としてフェンス設置などもおすすめします。
それ以外にも雑草除去として防草シートなどを敷くことも有効になります。

久野商事ではフェンスや防草シート、架台といった太陽光発電に関わる建設資材を取り扱っております。

また、造成工事や電気工事も一貫してお請けすることも可能になります。
この機会に是非、お気軽にお問合せ下さい。

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この記事を書いた人

久野 将成

フェンス一筋数年。IT界からフェンス界に転生した久野です。
太陽光フェンスやアニマルフェンスについてのウンチクを中心に書いていきます。

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