2025.12.05

防草シート 雑草対策

太陽光発電に適した防草シートとは

雑草対策として一般住宅でも広く使われている防草シートですが、太陽光発電設備においても非常に重要なものになります。

雑草が伸びればパネルに影を落とし、わずかな部分的な遮光でも発電量は大きく低下します。
さらに、影のかかり方によってはパネルの一部だけが過度に発熱する「ホットスポット」を招き、故障の原因となることもあります。

本記事では、太陽光発電に防草シートが必要とされる理由から、適したシートの選び方、施工方法、費用の目安までをまとめて解説します。

 

太陽光発電で防草シートが重要視される理由について

まずはじめに太陽光発電で防草シートが重要視される理由について説明します。

 

発電量の低下を防ぐ

太陽光パネルは「一部でも影が落ちると発電量が大きく落ちる」という性質があります。

現場では、わずか数本の雑草がパネル下に影をつくり、想像以上に出力を落とすケースが珍しくありません。

特に夏場は雑草の成長が早く、少し放置しただけで大幅なロスにつながることがあります。

 

ホットスポットのリスク

雑草の影でパネルの一部だけが過熱すると、そこだけ電流が過剰に流れ温度が急上昇します。

これが「ホットスポット」で、セルの焼損・故障に至ることもある厄介な現象です。

太陽光発電の稼働年数を考えると、影の原因となる雑草は初期段階から確実に排除しておく必要があります。

ホットスポットについては「ホットスポット現象について徹底解説」にて詳しく紹介しています。

 

ケーブル・設備の損傷防止

雑草が茂ると、地上に敷かれたケーブル類が見えづらくなります。

その状態で草刈りを行うと、刈払機で誤ってケーブルを切断してしまう事故が起こりやすくなります。

実際に当社でも「草刈り時にケーブルを切ってしまった」という相談を受けたことがあり、施工現場でもよく聞くトラブルです。

 

草刈りの維持コストが高額になりやすい

太陽光発電所は面積が広いため、草刈りを数回行うだけでも相応の維持費がかかります。

長期運用を前提とする発電事業では、毎年の草刈り費用が積み重なり、収益性を圧迫する要因になります。

防草シートは初期費用こそ必要ですが、複数年にわたって雑草を抑えられるため、結果的にランニングコストの削減につながります。

 

太陽光発電向け防草シートの選び方について

次に太陽光発電向け防草シートの選び方について説明します。

 

耐久性(耐候年数)の高いタイプが前提

太陽光発電所は20年以上の運用を前提としており、途中で劣化するシートでは再施工の手間と費用がかかります。
長期間の紫外線や風雨にも耐える「高耐久不織布タイプ」がもっとも適しています。

 

遮光率は高めのシートを選ぶ

雑草の生育を抑えるには遮光率が決定的に重要です。
太陽光発電用としては、光をほぼ通さないタイプが適しています。

 

両面パネルには白色シートが有効

両面パネルを導入している発電所では、白色シートがおすすめになります。

白色は太陽光を反射するため、雑草対策としてだけでなく、パネル裏面の発電量を数%から十数%増やすこともできます。

両面パネル向けの防草シートについては「両面発電パネル用の防草シートについて【徹底解説】」にて詳しく紹介しています。

また、防草シート全般について詳しく知りたい方は「【徹底解説】防草シートの種類と選び方について」にて詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。

 

防草シート施工の流れについて

防草シートの効果は、選んだシートだけではなく、施工の精度によっても左右されます。

一般的な施工は次の3工程です。

 

① 草刈り・地面の整地

凹凸が残るとシートの下に隙間が生まれ、そこから雑草が成長する原因になります。

 

② シート敷設・固定

固定ピンの間隔が広すぎると、強風でシートがめくれたり破れたりします。

太陽光発電所では、通常よりピンの本数を増やすことが多くあります。

 

③ 際(ふち)の処理

フェンス沿い・パネル脚まわりなどは雑草が伸びやすいため、重点的に処理します。

詳しくは「防草シート施工の基礎知識と施工後のトラブルについて」で解説しています。

 

太陽光発電における防草シート費用の目安について

施工面積や地盤状況によって大きく変動しますが、一般的には以下が目安となります。

 

シートの材料費

高耐久不織布:1㎡あたり700〜1,200円前後

 

施工費

1㎡あたり800〜1,500円程度

※パネル下作業、法面、石の撤去などで変動

 

 砂利併用の場合

1㎡あたり1,000〜2,000円ほど追加

 

面積が広くなるほど単価は下がる一方、傾斜地や荒地は費用が上がりやすい傾向にあります。

詳しい見積もり相場については「防草シートの見積もり相場について」で紹介しています。

 

まとめ

太陽光発電にとって、雑草は発電効率・安全性・維持費のすべてに影響します。

防草シートを導入することで、発電量の維持と長期的なランニングコストの削減につながる重要な施策と言えます。

 

久野商事では、防草シートの種類選定から施工まで一貫して対応しています。

太陽光発電所の雑草対策でお困りの際は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

久野 将成

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フェンス一筋数年。IT界からフェンス界に転生した久野です。
太陽光フェンスやアニマルフェンスについてのウンチクを中心に書いていきます。

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