2021.09.27
お役立ちコラム 太陽光
太陽光パネルの選び方について【初心者向け】
更新日:2023/5/24
みなさん、こんにちは。
久野商事の久野です。
近年、地球温暖化や電気代の高騰により、再生可能エネルギーが注目を集めています。
中でも、個人でも気軽に始められる太陽光発電を導入する方が増えています。
一方で、太陽光パネルが複数のメーカーから様々な種類が販売されているため、どれを選べば良いか分からないというお問い合わせが増えています。
そこで今回は、太陽光発電システムの導入を検討されている方向けに、太陽光パネルの選び方について説明していきます。
目次
太陽光パネルについて
まず初めに、太陽光パネルについて説明します。
太陽光パネルは太陽光を電気エネルギーに変換する設備で、太陽光モジュールやソーラーパネルとも呼ばれます。
太陽光パネルは、主にシリコンなどの半導体から作られていて、大型の産業用の物から家庭用の小型の物まで用途に合わせて様々なサイズがあります。
太陽光パネルは複数の要素で作られています。
太陽光パネルを構成する最小の単位はセルと呼ばれ、大きさは約10cm四方ほどになります。
セルを複数組み合わせることで、モジュールが出来上がります。
モジュールは複数のセルを組み合わせて板状に加工したものを指し、樹脂や強化ガラスなどでコーティングされています。
一般的に太陽光パネルと呼ばれるのは、このモジュールになります。
モジュール1枚では十分な発電量を得られないため、複数のモジュールを並べて結線します。
そうして、複数のモジュールを繋げたものをアレイと呼びます。
以下、図でまとめます。
太陽光パネルの選び方について
次に、太陽光パネルの選び方について説明します。
太陽光パネルを選ぶのに重要な項目は「変換効率」と「kW単価」と「素材」と「保証」の4つになります。
変換効率
変換効率とは太陽光を受けた太陽光パネルが太陽光を電気エネルギーに変換する際にどれだけ効率よく変換できるかを示す値になります。
変換効率が高ければ高いほど、多く発電できるため、重要な指標になります。
太陽光発電の変換効率にはモジュール変換効率とセル変換効率の2種類の指標があります。
モジュール変換効率は、太陽光パネル内の複数の太陽電池セルが組み合わさった際の太陽光から電力への総合的な変換効率を指します。
モジュール変換効率は、太陽光パネル全体の面積に対する出力電力の割合として表されます。
一方でセル変換効率は、太陽電池セル単体のエネルギー変換効率を示します。
太陽電池セルは、太陽光エネルギーを電力に変換するための基本的な部品であり、光を受け取って直接電力を生成します。
セル変換効率は、太陽光エネルギーのうち、セルによって実際に変換される割合を示します。
太陽光パネルを選ぶ際は、モジュール変換効率を考慮することをおすすめします。
kW単価
kW単価とは電気エネルギーの価格を1キロワットあたりで表した単価になります。
主に太陽光発電設備の導入コストや発電能力でkW単価が計算されます。
たとえば、太陽光発電設備を導入する際に設備費用や工事費用など初期費用を発電所の総発電能力(kW)で割って、単価を算出します。
通常、kW単価が低ければ、導入コストを抑えることができますが、kW単価はあくまで1つの指標であり、実際には設備の品質や信頼性、保証などを加味したうえで、選択しましょう。
素材
太陽光パネルはパネルに使われている素材によって、性能が異なります。
例えば、太陽光パネルで良く利用されるシリコン系では、単結晶シリコンと多結晶シリコンがありますが、単結晶シリコンは耐久性や発電効率や信頼度は高いですが、気温に弱いという欠点があります。
多結晶シリコンは単結晶に比べて生産コストが低いため、kW単価は安いですが、発電効率は落ちます。
太陽光パネルに利用されている素材についてはコチラで詳しく説明しています。
出力保証と機器保証の有無
出力保証は発電量の保証になります。
太陽光パネルは消耗品のため、徐々に発電効率が下がっていきます。
そういった場合に、無償で修理や交換することができます。
一方で、機器の故障や不良の場合に、無償で修理や交換してもらえる保証になります。
メーカーによって基準が違うため、購入時にどこまでの範囲に対応できるのか、事前に確認しておくことをおすすめします。
太陽光パネルメーカーのご紹介
次に、太陽光パネルメーカーを紹介します。
パナソニック
パナソニックは、太陽光発電の歴史が40年あります。
住宅用太陽光発電の中では、保証や発電量が他のメーカーに比べて充実しています。
パナソニックは、太陽光発電をより長く使えるように独自の性能試験などを施しており、そこからさらに、外観検査や、品質、性能など様々な項目が合格したもののみが商品化されユーザーの元へ届きます。
海外のマレーシアで製造していましたが、2021年中に生産を終了して撤退する事が発表されました。
東芝
東芝の太陽光パネルは発電効率が高く、パネルの表面に電極がでないバックコンタクトという方式を利用しているため、見た目も美しいという特徴があります。
一方で、2023年3月に住宅用太陽光発電システム事業から撤退しています。
シャープ
シャープは1959年に太陽光電池の開発を始めて、1994年から住宅用太陽光発電システムの販売を開始しました。
太陽光パネルの種類が豊富で、主力商品では最大発電効率19,6%と高効率を誇ります。
設置費用は1kW当たり約33万と高めですが、出力保証20年、システム機器保証15年が無償で付くため、信頼性も高いメーカーになります。
京セラ
京セラは1993年に日本初の住宅用太陽光発電システムを販売したメーカーになります。
1984年に自社に設置した太陽光パネルは現在も稼働しているため、品質はとても高いといえます。
一番の特徴は保証内容で、出力保証20年とシステム機器保証10年に加えて、自然災害補償10年が無償でついてきます。
ソーラーフロンティア
ソーラーフロンティアは昭和シェル石油の子会社で、薄膜型太陽光パネルの製造から販売までおこなっているメーカーになります。
太陽光パネルの性能が良く、デザインや保証面も充実しているため、信頼性が高いメーカーになります。
トリナソーラー
トリナソーラーは中国江蘇省常州市に拠点を置く中国メーカーになります。
中国メーカーのため、価格の安さが特徴になります。
世界シェアも5位と実績があり、保証もしっかりしています。
カナディアンソーラー
カナディアンソーラーはカナダの企業ですが、生産拠点は中国の海外のメーカーのため、太陽光パネルの価格は低価格になります。
また、世界150カ国の導入実績があり、品質が高いことで有名となります。
耐久性が高く、長期運用に向いており、保証も手厚いという特徴があります。
太陽光パネルの補助金について
次に、太陽光パネルの補助金について説明します。
太陽光パネルの補助金制度は、2014年に制度が撤廃され、2023年5月現在でも立ち上がっていません。
一方で、各自治体で補助金制度を設けている場合があるため、確認することをおすすめします。
まとめ
今回は太陽光パネルの選び方について説明しました。
太陽光発電を始める上で、太陽光パネルは非常に重要な設備になります。
太陽光パネルを選ぶ際は、変換効率、kW単価だけでなく、保証についても確認することをおすすめします。
久野商事では、太陽光発電パネルやパワコンなどの太陽光発電資材から、フェンスや防草シートといった副次的なものも扱っています。
また、材料のみならず造成工事から電気工事まで一貫してお請けすることができます。
太陽光発電についてご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。