2021.01.12
防獣・獣害対策
タヌキによる被害と対策について【徹底解説】
更新日:2023年4月5日
みなさん、こんにちは。久野商事の久野です。
国土の70%近くが森に覆われている日本では、昔から野生動物が身近な存在になります。
特にタヌキは縁起物として親しみがあり、日本の伝統である設楽焼などに使われていたり、居酒屋などに行った際には置物を見かけることが多いのではないでしょうか。
そのようにタヌキは身近な動物ですが、農地などでは作物を食い荒らす被害が増えています。
そこで今回はタヌキの生態や、タヌキによる被害とその対策について解説していきます。
目次
タヌキの生態について
はじめにタヌキの生態について説明していきます。
タヌキの特徴について
タヌキはネコ目イヌ科に分類されます。
猫も犬もタヌキも同じ食肉目という肉食動物が先祖になるため、同じ分類になります。
また、タヌキの平均的な大きさは50〜60 cm、体重は3,000〜9,000 gで小型犬から中型犬の大きさと同じくらいになります。
特徴として、一夫一妻制でオスが積極的に子育てに参加するため、パートナーと生涯連れ添う姿から夫婦円満の象徴としていわれています。
引用元:国土交通省
https://www.cgr.mlit.go.jp/ootagawa/Bio/mamma/index456.htm
タヌキの生息地・習性について
現状、山地から郊外の住宅街まで幅広く生息しますが、タヌキが縄張りの有無については解明されていません。
長く住む習性があるとはいわれており、自身では穴を掘らずアナグマの巣を利用したり、最近では空き家や市街の住宅の軒下、屋根裏で生息もしている場合もあります。
一般的に「狸寝入り」という言葉がありますが、タヌキが外敵に遭遇するなどしてひどく驚いた際に本能的に仮死状態になることをいいます。
タヌキに類似した野生動物の紹介
よくタヌキと間違われる野生動物について解説していきます。
①アライグマ
アライグマはアメリカ・カナダからの外来種動物になります。
見た目の可愛らしさとは裏腹に、作物への被害だけでなく病原体の媒介や日本古来の野生動物等への被害が多く報告されています。
害獣として法律上①生態系被害防止外来種リスト(重点対策外来種として)②鳥獣保護管理法(狩猟鳥獣として)③第13次東京都鳥獣保護管理事業計画で外来鳥獣として分類されています。
さらに、一部の都道府県では放逐禁止の種類としても認定されています。
見た目の特徴としては全体的に灰色で尾が縞模様になります。
尚、アライグマの駆除方法についてはコチラで詳しく解説しています。
②ハクビシン
東南アジアや中国南東部が原産のハクビシンも、アライグマと同じく2023年に都から「東京都アライグマ・ハクビシン防除実施計画」が発令されるほど害獣として被害が多く報告されています。
食肉目ジャコウネコ科と分類されており、アライグマと同じく雑食で、果物が好物ですが小型の哺乳類や鳥類なども捕食します。
顔の真ん中の白い線が見た目の特徴になります。
引用元:東京都
https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/nature/animals_plants/raccoon/habit.html
③アナグマ
アナグマは名前にクマとありますが、イタチの一種でユーラシア大陸に生息している「ヨーロッパアナグマ」と「アジアアナグマ」、日本固有の「ニホンアナグマ」の3種類がいます。
また、タヌキと同じように小柄な動物になり、2022年時点で北海道・沖縄を除く全国で26,665件の生息が報告されています。
引用元:環境省
https://www.env.go.jp/nature/choju/docs/docs5/docs5-hanbetu.pdf
タヌキによる獣害被害について
現在、確認されているタヌキによる獣害被害について説明していきます。
タヌキによる獣害被害の事例紹介
主に稲や野菜などの農作物の被害が毎年多く報告されています。
他にはため糞といわれる一定の場所に糞をするタヌキ特有のマーキング習性があります。
庭や畑などでため糞を見かけた場合、タヌキにとって居心地の良い安心できる場所だと認知されている可能性が高いため、早急にタヌキ対策をすることをおすすめします。
また、住宅の屋根裏や軒下に住みつく被害も報告されており、糞尿によるニオイや感染症の恐れもあるためその際は駆除業者に依頼することをおすすめします。
タヌキの獣害被害の対策について
畑や庭などを野生動物の被害から守るために、大型動物に分類されるシカやイノシシ対策として大型フェンスを設置する方が多いかと思われます。
しかし、中型動物であるタヌキやアライグマなどは目合い(マス規格)の小さいフェンスでないと通り抜けてしまいます。
そのため、大型動物と中型動物どちらも通り抜けられないように対策する必要があります。
住宅や空き家などに住みついているタヌキを追い出すためには煙霧や忌避剤などの使用が有効な方法になります。
①フェンスと防獣ネットを使い分ける
シカやイノシシの侵入対策としてフェンスは不可欠な対策グッズになります。
しかし、フェンスの目合い(マス規格)によっては中型動物が侵入してしまう可能性があるため、防獣ネットをフェンスに重ねたり、シカやイノシシの被害がない方は防獣ネットのみで対策しても良いかもしれません。
防獣ネットについてはコチラで詳しく解説していますので、ご興味のある方はご覧ください。
②エサとなる食べ物やごみを放置しない
タヌキが人里に下りてくる原因は食べ物も関係しています。
農作物だけでなく、生ごみや傷や汚れによって廃棄された作物や果樹もタヌキのエサになるため、エサ場にならないよう焼却処理をするなどして対応する必要があります。
③空き家や農作地を放置しない
タヌキにとって空き家や放置された仏閣、物置などは最適な住処になります。
畑や住宅の近くに空き家などがある場合は定期的に見回ったり、忌避剤などを置いてタヌキが住みつくことを防ぐことをおすすめします。
引用元:農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/manyuaru/manual_tyuugata_jyuurui/180330-4.pdf
タヌキの捕獲・狩猟について
ここではタヌキの捕獲・狩猟について説明していきます。
タヌキの狩猟について
タヌキ被害に悩んでいる方はハンターといわれる狩猟免許を持っている方や駆除業者に依頼することが多いかもしれません。
しかし、タヌキは小さな家族単位や個体で生活しているため、農作物などに被害をもたらすのは一部の個体になります。
そのため、駆除をしても根本的な被害の解決にはならないため、常日頃からタヌキの有効な対策として、フェンスなどで侵入防止対策をおこない、エサ場を作らず、住処となる空き家などを放置しないことが重要になります。
タヌキの狩猟に必要な免許について
タヌキの狩猟には鳥獣保護管理法で狩猟免許を持ち、狩猟をおこなう都道府県へ許可を申請しなければいけません。
そのため、許可のない業者は狩猟ができないと定められています。
狩猟免許は4種類に分かれており、大きく分けて罠を仕掛けるための免許と狩猟のための銃を使用できる免許の2種類があります。
狩猟免許の種類 | 使用できる猟具 |
網猟免許 | 網(むそう網、はり網、つき網、なげ網) |
わな猟免許 | わな(くくりわな、はこわな、はこおとし、囲いわな) |
第一種銃猟免許 | 装薬銃 |
第二種銃猟免許 | 空気銃 ※コルクを発射するものを除く。 |
狩猟免許に合格後に狩猟をおこなう都道府県や自治体への申請と所定の狩猟税の納付をしなければいけません。
また、タヌキの狩猟には免許の取得、狩猟の許可申請、狩猟税の納付という手順が必要になります。
引用元:環境省
https://www.env.go.jp/nature/choju/hunt/hunt2.html
タヌキの捕獲について
タヌキの捕獲は狩猟と同様に免許と自治体への申請が必須になります。
そのため、免許のない方が狩猟目的で罠を仕掛けるだけで法律違反になります。
外部にタヌキの捕獲・狩猟を検討している方は、必ず専門の業者に依頼するようにしましょう。
現在、環境省に認定されている駆除業者はコチラで紹介されています。
まとめ
ここまでタヌキによる被害や対策方法などを説明してきました。
タヌキによる被害を抑えるために、エサ場や住処となる場所を作らないことが大切になってきます。
また駆除業者に依頼して駆除した後も、エサ等があるとまた別のタヌキが住みつき新たな被害が生まれる可能性があります。
そのため、農作物以外にもエサとなる生ごみや廃棄した農作物などを放置しないことをおすすめします。
久野商事では侵入防止策として獣害対策用のフェンスを取り扱っています。
ご興味のある方はフェンス施工実績もありますので、お気軽にお問い合わせください。