2021.08.30
お役立ちコラム
ソーラーローンについて【徹底解説】
更新日:2023年5月19日
みなさん、こんにちは。
久野商事の久野です。
近年、地球温暖化や電気代の高騰により、再生可能エネルギーが注目を集めています。
中でも、個人でも気軽に始められる太陽光発電を導入する方が増えています。
一方で太陽光発電設備の値段が下がってきたとはいえ、導入に数十万から数百万と高額な費用が必要なため、初期費用で導入に踏み切れない方も多くいらっしゃいます。
そこで今回は、太陽光発電の導入を検討している方向けに、ソーラーローンについて説明していきます。
目次
ソーラーローンについて
まずはじめに、ソーラーローンについて説明します。
ソーラーローンは太陽光発電や蓄電池などの設備導入の際に利用できる融資のことを指しま
す。
ソーラーローンは金利が安く、返済期間を長期に設定できるなど、通常のローンと比べて条件が良いことが多くあります。
尚、その他は通常のローンと変わらないため、現金一括払いと比べて、金利や保証料がかかるため、トータルコストは高くなります。
ソーラーローンのメリットについて
次に、ソーラーローンのメリットについて説明します。
金利が低い
ソーラーローンの金利は融資を受ける先によって変わりますが、大体1.8%から3.5%と、他のローンと比べて金利が低く設定されています。
また、返済期間も長く、大体10年から15年で設定することができます。
頭金なしでも借りられる
通常のローンで融資を受ける場合は、頭金が必要なことが多いですが、ソーラーローンの場合は、頭金なしでもローン審査を通ることがあります。
ただし、少しでも費用を抑えるために、無理のない範囲で頭金を準備することをおすすめします。
保証料が不要
ソーラーローンは太陽光発電設備が担保になるため、保証料が不要となります。
また、保証人についても不要な金融機関が多くあります。
ソーラーローンのデメリットについて
次に、ソーラーローンのデメリットについて説明します。
利息がかかる
ソーラーローンの金利は他のローンと比べて金利は低いですが、0ではないため、総支払額が多くかかります。
返済計画がずれる可能性がある
太陽光発電は長期間運用するため、自然災害や経年劣化により故障する可能性があります。
故障状況によって長期間停止することがあるため、返済計画が大きく狂ってしまう可能性があります。
尚、ソーラーローンには自然災害補償が付いたものもあるため、補償付きのソーラーローンを選ぶことをおすすめします。
変動金利が多い
ソーラーローンは金利は低いですが、最近では変動金利での融資が増えています。
金利の変動によっては固定金利よりも高くなってしまう可能性があるため、注意が必要となります。
また、変動金利は固定金利と比べて返済計画が立てづらいため、私個人の見解としては、固定金利を選べる場合は、固定金利を選ぶことをおすすめします。
金融機関による違いについて
次に、金融機関による違いについて説明します。
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫とは財務省管轄の特殊会社であり、政府が出資する公的融資のことを指します。
融資の種類は“中小企業事業”と”国民生活事業”の2種類があります。
融資を受けられる金額の上限、金利の違いがありますが、返済期間は2種類とも20年間以内になります。
金利に関しては、担保の有無や返済期間によって変動します。
また、担保や保証人がいなくても、2,000万円までの融資を受けられる小規模事業者経営改善資金という制度もありこちらの制度で融資を受ける場合、金利が1.11%で、返済期間は運転資金で使用すると7年以内、設備の資金であれば10年以内になります。
銀行
銀行でも融資を受けることができます。
銀行での融資は個人よりも法人の方が通りやすいため、法人の場合は、銀行の融資を受けることをおすすめします。
銀行のソーラーローンは措置期間という返済額の金利分だけにする期間が設けられいるため、売電収入が得られるまで元金の返済を遅らせることができます。
借入額が1,000万円以内の場合は、返済期間を10~15年以内に設定することが多くあります。
また、新規で太陽光発電所を購入するよりも、中古で太陽光発電所を購入する方が融資が通りやすくなっています。
中古の太陽光発電所は過去の売電の数字を見る事で、信頼性の高い返済シミュレーションが立てることができるためとなります。
新規の太陽光発電で融資が降りないなどの場合は、中古の太陽光発電所を検討しましょう。
信販会社
信販会社とは、クレジットカード発行している会社のことで、アプラスやジャックスなどがこれに該当します。
また信販会社のソーラーローンは、太陽光発電システムを販売している会社が代行して手続きなどをおこなうため、その会社が提携している信販会社でのみ、融資を受けることができます。
金利は2.5%~3.5%と他の融資よりも少し高めに設定されていますが、個人での審査に通りやすく、年収400万円台の方でも受けられる融資のため、個人で太陽光発電投資をしている方が、多くいらっしゃいます。
ソーラーローンを取り扱っている金融機関
次に、ソーラーローンを取り扱っている金融機関について説明します。
ソーラーローンを取り扱っている金融機関は多くあります。
金融機関によって、借入の上限の金額や返済期間など、条件によっても変わります。
JAバンク
JAバンクは民間の金融機関となります。
銀行などでは金利が2%台になることが多いですが、JAバンクの場合は1%台で始められる場合もあります。
例えば、JA横浜の場合、ソーラーローン融資には、変動金利と固定金利があり、変動では金利が1.050%~3.475%となっており、固定では1.35%〜4.40%になっています。
返済期間は1年から15年で、借入上限は1,000万円としています。
利用条件は少し厳しく、以下の通りとなります。
・JAバンクの通帳を作成
・JAカードを契約
・給与振込先をJAバンクに設定
・住宅ローンもJAバンクにする
JAバンクのソーラーローンは、地域によって差があるので、自分の住んでいる地域の金利を調べて融資を受けましょう。
イオン銀行
イオンが提供するソーラーローンになります。
金利は固定で2.6%と低金利ではありませんが、固定金利のため、変動することはありません。
返済期間は1年から15年で、借入上限は1,000万円としています。
利用条件は、以下の通りとなります。
・日本国内に住んでいる、または永住許可を受けている外国籍の人
・契約時の年齢が満20歳以上で満69歳未満、返済満期時の年齢が満75歳未満
・イオン銀行に普通預金口座を持っている
・前年度の年収が200万以上
・安定した収入の継続
・イオン銀行の定めている、団体信用保険の加入、保証会社の審査を通る
・年金の受給者や学生以外
JAバンクより条件数は多いものの、条件自体はそこまで厳しくない内容となっています。
三菱東京UFJ銀行
三菱東京UFJは3大メガバンクの1つになります。
金利は変動タイプで、金利も1.99%から2.49%と低金利になります。
返済期間が6ヶ月から15年で、借入上限が1000万円になります。
利用条件は、以下の通りです。
・三菱東京UFJ銀行の住宅ローンを利用している
・エコ待遇の対象であること
Webで申し込みから契約・融資まで完結させる事ができます。
北海道銀行
北海道銀行は金利が1.925%から2.425%と低く設定されています。
しかし、変動タイプにしか適応されず、固定タイプの場合は、2.5%から3%と高くなります。
返済期間は変動で10年、固定で7年になり、借入上限は1000万円となっています。
利用条件は、以下の通りです。
・保証会社の審査を通る事
・エコリフォーム関連の資金として使う
エコリフォームの関連資金とは、一般的な太陽光発電で使われるパネル以外にも、ヒートポンプ式給油・省エネガスやバイオトイレなどがそれに該当します。
審査をおこない、審査に通らなかった場合、オリエントコーポレーションで再審査がおこなわれて、審査が通った場合は、金利が1%から1.8%ほど上がります。
返済のシミュレーション
次に、実際に返済のシミュレーションをご紹介します。
頭金なしで金利2.75%の固定金利で融資を受けた場合、以下の通りとなります。
尚、このシミュレーションには税金や撤去費用の積立金は含まれていません。
太陽光発電所 | 千葉(システム容量74kW) |
価格 | 22,000,000円 |
売電価格(FIT20年) | 26円 |
ランニング費用(20年) | 5,000,000円 |
実質利回り | 9% |
月々の返済額 | 150,600円 |
年間の返済額 | 1,807,200円 |
年間のランニング費用 | 250,000円 |
年間の売電価格 (パネルの経年劣化は配慮せず) | 1,924,000円 |
1年目から15年目までの収入 | 1,924,000円(収入) – 2,057200円(支出) = -133,200円 |
16年目から20目までの収入 | 1,924,000円(収入) – 250,000円(支出) = 1,674,000円 |
20年間の収支 | 38,480,000円(収入) – 32,108,000(支出) = 6,372,000円 |
純利益 | 約630万円 |
ソーラーローンの繰上げ返済について
次に、ソーラーローンの繰上げ返済について説明します。
ソーラーローンは通常のローンと同様に繰上げ返済できることがあります。
繰上げ返済することで、総支払額を落とすことができるため、繰上げ返済が可能な場合は、繰上げ返済することをおすすめします。
まとめ
今回は、ソーラーローンについて、説明させて頂きました。
ソーラーローンは通常のローンと比べて、審査が通りやすく、金利も安いローンになります。
太陽光発電所の設置や住宅用太陽光発電を始めたい方は、ソーラーローンの利用を検討することをおすすめします。
久野商事ではフェンスや防草シート、架台などといった太陽光発電資材を取り扱っています。
また、材料のみならず、造成工事から電気工事まで一貫してお請けすることができます。
太陽光発電について、ご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせください。