2022.01.17
お役立ちコラム 太陽光
野立て太陽光発電について徹底解説【初心者向け】
更新日:2022/10/12
みなさん、こんにちは。久野商事の久野です。
最近、SDGsの観点から注目されている『太陽光発電』ですが『野立て太陽光発電』が流行っています。
よく、郊外や田舎の広い土地にたくさんの太陽光パネルが敷かれている景色を見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は『野立て太陽光発電』について説明していきます。
目次
野立て太陽光発電とは
野立て太陽光発電は太陽光発電設備を遊休地や空地、田畑などに設置する事を言います。
主に低圧と高圧の2種類があります。
低圧は定格出力が10kW以上50kW未満であり、投資目的で設置する方が多いです。
一方で高圧は50kW以上の太陽光発電設備を指し、出力が1MWを超えるものはメガソーラーと呼ばれており、産業用電力の利用を目的とし、企業が運用しています。
メガソーラーについてはコチラで説明しておりますので、ぜひご覧ください。
野立て太陽光発電のメリット
野立て太陽光発電を運営するメリットについて説明します。
安定した収入の獲得
野立て太陽光発電設備で発電した電気は電力会社に売却することができます。
50kW以上の高圧発電設備やソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)は、FIT((固定買取制度)の対象になるため、20年間固定の金額で電力を買い取ってもらうことができます。
<出典:資源エネルギー庁「固定価格買取制度」>
※2022年度以降の価格表
有効な土地活用
太陽光発電所は立地に関係なく、田舎の土地や山などで活用することができます。
非常用電源として利用可能
家庭用の太陽光発電設備は自家消費がメインになりますが、設置面積も屋根部分しかないため、出力が小さいです。
野立ての場合は多くの太陽光パネルを設置することで家庭用よりも発電することが可能になります。
また、災害時の非常用電源として活用することもできます。
野立て太陽光発電のデメリット
ここまでメリットについて説明してきましたが、デメリットについても説明していきます。
近隣住民とのトラブル
設置した際、太陽光パネルが反射して眩しいなどのクレームが入ることがあります。
住宅地などに設置する場合は近隣に事前に説明するなどしてトラブル回避をおすすめします。
また、自然災害などにより、太陽光パネルや架台などが破損してしまう事があります。
設置場所によっては造成工事を行う必要があり、土砂崩れなどの注意も必要になります。
メンテナンス
設置後はメンテナンスが必要になるため、広い土地の場合は手間がかかります。
追加費用について
野立て太陽光発電所の近くに電柱がない場合は送電するために電柱を設置する必要があります。
電柱設置は連系工事負担金が100万円〜200万円程度かかります。
事前に土地周辺の電柱有無については確認することをおすすめします。
設置費用について
太陽光発電の設置に最低でも1,500万円〜2,000万円程必要となります。
費用について説明していきます。
土地購入費
まずは土地が必要になるため、土地を持っていない方は購入する必要があります。
土地によっては地目を変更する必要があり、地目を変更する場合は5万円程度かかります。
造成費用
設置する土地が傾斜地や地盤が緩いまたは硬い土地の場合は造成工事を行う必要があります。
土地の状態により費用が大きく変わりますが、造成工事だけで1平方メートル辺り5千円〜3万円程度かかります。
造成工事についてはコチラで詳しく説明しておりますので、ぜひご覧ください。
設備費用
太陽光パネルや架台、パワコンなど様々な設備が必要になります。
発電所の規模により金額が変動しますが、最低でも1,200万円〜1,500万円程度かかります。
設置費用
設置工事と電気工事が必要になり、発電所の規模により金額が変動します。
最低でも300万〜500万円程度かかります。
費用を抑えたい方は中古物件(セカンダリー物件)の購入検討をおすすめします。
セカンダリー物件についてはコチラで説明しておりますので、ぜひご覧ください。
設置後の費用について
太陽光発電の設置後に掛かる費用は大きく分けて4つあります。
メンテナンス費
雨天の際には常にパネルが濡れるため、時間の経過で汚れてしまいます。
汚れた太陽光パネルは太陽光を通さなくなり、発電効率が落ちるため、定期的に洗浄する必要があります。
また、周辺の雑草にも注意が必要になります。
成長した雑草により影ができ、発電効率が落ちたりします。さらに、ホットスポット現象が発生して、火災が発生することもあります。
ホットスポット現象についてはコチラで説明しておりますので、ぜひご覧ください。
メンテナンス費用は1回1万円〜2万円程で、4年に一度の点検が推奨されています。
パネル洗浄や設備点検の費用は抑えることができませんが、草刈りについては防草シートを敷くことで費用を抑えることが可能になります。
防草シートについてはコチラで説明しておりますので、ぜひご覧ください。
保険料
台風により架台が破損したり、太陽光パネルが破損する事件が多発しています。
その際に火災保険や地震保険が役に立ちます。
万が一に備えて加入することをおすすめします。
各都道府県によって保険料は変わりますが火災保険は1Kw辺り936円〜1,728円/年、地震保険が1Kw辺り1,992円〜2,568円/年が相場となっています。
<出典:株式会社三菱総合研究所「平成29年度新エネルギー等の導入促進のための基礎調査(太陽光発電に係る保守点検の普及動向等に関する調査)」>
固定資産税及び所得税
産業用太陽光発電の場合、事業とみなされるため、固定資産税が掛かります。
固定資産税の計算についてはこちらが参考になりますので、ご覧ください。
また、太陽光発電で売電を行う場合は固定資産税とは別に所得税も掛かります。
パワーコンディショナー交換費
太陽光発電所で必ず必要なパワーコンディショナーですが、製品寿命は10年〜15年となります。
太陽光発電所は20年以上の運用が前提のため、運用中に最低でも1回は交換する必要がありますが、相場として交換費用は30万円〜40万円程かかります。
まとめ
今回、野立て太陽光発電について説明させていただきました。
売電のみならず、産業用電気や災害用電気など様々な活用方法があります。
日本は自然災害も多く、電力不足の問題が深刻になっています。
安定した電力供給するためにみなさんも検討してみてください。
久野商事では太陽光発電に関わる部材を提供しています。
設置工事も対応できますので是非、お気軽にお問い合わせ下さい。