2021.09.15
お役立ちコラム 太陽光
太陽光発電所の地目について【初心者向け】
更新日:2023/10/30
みなさん、こんにちは。
久野商事の久野です。
近年、地球温暖化や電気代の高騰により、再生可能エネルギーが注目を集めています。
最近では、売電目的の太陽光発電所だけでなく、工場などで利用する産業用太陽光発電所も増えてきています。
一方で、国の基準に満たなかったりなど、違法な太陽光発電所も増えています。
そこで今回はこれから太陽光発電所の設置を検討されている方向けに、太陽光発電所の地目について、説明していきます。
目次
太陽光発電所の地目について
まず初めに、太陽光発電所の地目について説明します。
地目とは土地ごとに定められた用途のことを指します。
地目は不動産登記法で定められており、23種類もの地目がありますが、太陽光発電所が建てられる地目は「雑種地・原野・山林・宅地・田・畑」の6種類となります。
雑種地
雑種地は23種類ある地目のうちどこにも属さない土地の事を指します。
太陽光発電所を建てる際に特別な申請を必要とせず、固定資産税も他と比べて安いことから人気がある地目になります。
原野
原野は人の手が加わっていない雑草、かん木類の生育する土地の事を指します。
雑種地と同じく太陽発電所を建てる際に特別な申請は必要ありません。
山林
山林は、竹や樹が生育する土地の事を指します。
尚、地目が山林でも現在は「畑」となっている、または元々は「畑」だったが、山林となっている場合は、農地転用を行う必要があります。
農地転用をおこなわずに太陽光発電発電所を建てると罰則が課せられるため、注意が必要となります。
宅地
宅地は住宅や建物を建てるために利用される土地を指します。
尚、宅地に太陽光発電所を建てる場合、固定資産税が他と比べて高く、固定資産税の軽減措置も受けられないため、注意が必要となります。
畑と田
通常、畑と田に太陽光発電所を建てる場合は、農地転用をおこなう必要があります。
しかし、ソーラーシェアリングをおこなう場合に限り、農地一時転用許可があれば、太陽光発電所(ソーラーシェアリング)を建てることができます。
ソーラーシェアリングについてはコチラで説明しておりますので、ご覧ください。
農地転用について
次に、農地転用について説明します。
畑や田などで太陽光発電所を建てる場合は、農地転用申請をおこなう必要があります。
農地転用の申請は対象の土地に居住している場合は、各市町村の農業委員会に申請します。
居住していない場合は、都道府県知事に申請する必要があります。
居住状況により申請場所が異なるため、注意が必要となります。
また、農地は都市計画区域の土地の場合とそうでない場合で申請の流れが異なります。
都市計画区域内の農地の場合
都市計画区画内の農地は”市街化区域”、”市街化調整区域”と”市街化調整区域”の3つに分かれており、それぞれ申請に必要な物や流れが異なります。
①市街化区域
市街化区域の場合は、農地転用の許可が不要で、農業委員会への届け出のみおこないます。
必要な書類は「農地転用届出書」、「届出土地の登記事項証明書」、「案内図」、「公図」の4点となります。
土地の状況によっては、「権利者であることを証する書面」、「開発許可書の写し」「 届出地が賃貸借されている場合は解約したことを証する書面」、「仮換地証明書」、「仮換地図」が必要となる場合もあります。
上記書類は申請する市区町村により異なる場合がございますので、農地転用する市区町村に必要な書類を確認することをおすすめします。
②市街化調整区域
市街化区域の場合は、農地転用の際に県知事または農林水産省(4ヘクタールを超える場合のみ)の許可が必要になります。
申請は農業委員会で受付されて、審議されます。
その後、意見書とともに県知事に送付、再審議されて法的に問題がないと判断されることで、許可となります。
必要な書類については市街化区域と変わりませんが、市区町村により異なりますので、農地転用する市区町村に必要な書類を確認することをおすすめします。
都市計画区域外の農地の場合
都市計画区域外の農地の場合は、市街化調整区域と同じく農地転用の際に県知事または、農林水産省(4ヘクタールを超える場合のみ)の許可が必要となります。
申請の流れについても、市街化調整区域と殆ど変わりはありません。
農用地区域の場合
農用地区域の場合、農地転用申請とは別に農用地区域の除外申請が必要となります。
しかし、農用地区域の除外申請は厳しく、原則不許可となります。
尚、農地転用ではなく、農地一時転用であれば許可がでる可能性があるため、農用地区域の農地で太陽光発電をおこないたい場合は、農地一時転用を申請して、ソーラーシェアリングにすることをおすすめします。
ソーラーシェアリングについて詳しく知りたい方はコチラをご覧ください。
まとめ
今回は太陽光発電所の地目について説明しました。
太陽光発電所を建てる土地を探す際は、必ず土地の地目を確認しましょう。
また、農地転用する場合は、各市区町村で申請方法が異なる場合があるため、注意が必要となります。
尚、農地転用後は土地の造成工事をおこなう必要があるため、予算に組み込むことをおすすめします。
久野商事では太陽光発電所で利用するフェンスや防草シート、太陽光発電資材など様々な製品を取り扱っています。
また、材料のみならず、造成工事から電気工事までお請けすることができます。
太陽光発電についてご不明な点等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。