更新日:2023/02/01
みなさん、こんにちは。
久野商事株式会社の久野でございます。
春に向けて、雑草対策として防草シートを検討される方が増えてきます。
防草シートの選定は防草シートの種類のみならず、防草シートを固定するための固定ピン(シートピン)も重要な部材となります。
実際、弊社でもピンの選び方や必要な本数、施工時にピンがうまく刺さらないため対処方法などの相談を多数いただいています。
万が一、誤ってピン選びや打ち方をしてしまった場合、シートが捲れたり、破れてしまうことがあります。
そこで今回は、固定ピンについてお悩みがある方に向けて、固定ピンの選び方について、詳しくご説明いたします。
目次
固定ピンの役割について
まず、はじめに固定ピンの役割について説明します。
捲れの防止
防草シートを敷いた際、そのままだと地面とシートの間に隙間が生じます。
隙間があると風が入り込み、捲れてしまったり、破れたり、台風などの強風で飛ばされてしまうことがあります。
また、防草シートが何度も捲れると防草効果が発揮できないため、防草シートを固定ピンで固定する事は非常に重要となります。
雑草による盛り上がり防止
防草シートは特性上、敷いてある部分には雑草は生えませんが、シートが敷かれていない場所には雑草が生えてきます。
そのため、防草シートの端から雑草が侵入してくることがあります。
防草シートは非常に強力で侵入してきた雑草により持ち上げられることで防草シートと地面の隙間が大きくなり、風が入り込むことで防草シートが捲れてしまうことがあります。
固定ピン以外で固定する方法について
次に、固定ピン以外で留める方法について説明します。
釘
木材の固定などに使われる通常の釘は頭の部分が小さいため、防草シートを突き抜けてしまう可能性が高いため、おすすめできません。
ワッシャー(押さえ板)と併用すれば使用できますが、通常の釘ではすぐに抜けてしまうため、釘を利用したい場合は防草シート固定用の大頭釘をおすすめします。
ブロックなどの重し
ブロックなどの重しを利用して、固定ピンの代わりとすることもできますが、1ブロック1,000円〜3000円と割高のため、固定ピンがささらない場合の代用方法として利用する事をおすすめします。
砂利や人工芝
防草シートを敷いた後に砂利敷くことがあります。
この場合、砂利の重みで防草シートが固定されるため、固定ピンは不要と思われる方もいらっしゃいますが、砂利を敷いた際に防草シートと地面の隙間に砂利が入り込んで浮いてしまいます。
さらに、砂利を敷いた重みで防草シートがずれてしまうことがあるため、砂利を敷く場合でも固定ピンを利用することをおすすめします。
固定ピンの種類について
ここでは固定ピンの種類について説明します。
前提として防草シートの固定ピンには様々な種類があり、それぞれ得意とする地盤が異なります。
固定ピンの種類
①U型固定ピン
防草シートの固定で最も利用されているピンの形となります。
U型固定ピンはコの字タイプの物と、U字タイプの二種類があります。
他のピンと比べて抜けづらいため、柔らかい地盤などにおすすめです。
また、U型固定ピンには樹脂板(ワッシャー)が付属しているものもあります。
樹脂板で防草シートを固定するため、ピン単体よりも抜けづらくなりますが、その分価格が高くなってしまいます。
尚、U型固定ピンは左右が同じ長さのため、差し込みの途中で大きな石などがある場合は、避けて差し込む必要があります。
②L型固定ピン
L型固定ピンは線径が太いため、硬い地盤におすすめです。
U型固定ピンとは違い、地面に差し込む杭部分が1箇所しかなく、抜けやすいため注意が必要となります。
L型固定ピンを利用する場合は、必ず固定ピンテープを貼りましょう。
③J型固定ピン
J型固定ピンは線径が太いため、硬い地盤におすすめです。
また、片方の杭部分が短くなっているため、大きな石などで刺さらなかった場合、位置をずらして刺し込むことができます。
④プラスチックピン
プラスチックを利用した防草シート固定ピンとなります。
主にストレートタイプと返しのあるタイプの2種類があります。
柔らかい地盤や配管などが多く通っている地盤の場合に利用されます。
ホームセンターなどで手軽に手に入れる事も出来ますが、強度が低く、施工時に折れてしまったり、紫外線により劣化してしまうことがあります。
各固定ピンのメリット・デメリットを表にまとめましたのでご覧ください。
固定ピンの種類 | メリット | デメリット | 価格帯 (太さ・長さにより変わります) |
U型固定ピン | 4種類の中でもっとも抜けにくい | 硬い地盤や障害物が苦手 | 20円~40円/本 |
L型固定ピン | 硬い地盤でも利用出来る | 杭部分が1本のため、U型固定ピンと比べて抜けやすい | 50円~80円/本 |
J型固定ピン | 抜けにくく、硬い地盤でも利用出来る | U型ピンと比べて抜けやすい | 40円~70円/本 |
プラスチックピン | 手軽に購入でき、配管などを傷つけない | 強度が低い | 40円~50円/本 |
防草シートテープについて
防草シートテープには主に2つの役割があり、役割について説明していきます。
穴を塞ぐ
防草シートを固定するために固定ピンを差すと穴が空いてしまいます。
そのままにしておくと、空いた穴から日光が入り、雑草が生えてくることがあります。
それを防止するために利用するのが防草シートテープとなります。
ピンの上にテープを貼る事で、固定ピンの穴から雑草が生えてくるのを防ぐことができます。
シートの重ね部分に貼る
ピンの上だけでなく、防草シートと防草シートの重ね部分にもテープを貼ります。
テープを貼ることで固定ピンの穴と同様に隙間から雑草が生えたり、風で捲れた際に防草シートが破れてしまったりという事故を未然に防ぐ事が可能となります。
また、経年劣化等で損傷した箇所の補修として使用することもできます。
固定ピンの選び方について
次に、防草シート固定ピンの選び方について説明していきます。
地盤の固さ
まず初めに地盤の硬さを確認します。
柔らかい地盤の場合は、「U字型固定ピン・J型固定ピン・プラスチックピン」、硬い地盤の場合は「L型固定ピン・J型固定ピン」がおすすめです。
尚、固定ピンは選ぶ際は、なるべく長いものを選びましょう。
刺さる部分が長ければ長いほど抜けにくくなります。
地中の障害物の多さ
防草シートを張りたい場所の地中に、石や配管などの障害物がどれくらいあるかも確認する必要があります。
石などが多い地盤では「J型固定ピンやL型固定ピン」、配管が通っている地盤では「プラスチックピン」がおすすめになります。
石などの障害物が多い場所では長さが短いピンを選びましょう。
地中は深くなればなるほど石があるため、途中で障害物に当たる可能性が高くなります。
15cm程度の短いピンを使用し、その代わりに打ち込む本数を増やして強度を補う方が良いでしょう。
使用する年数
固定ピンは徐々に劣化していき、ピンの耐用年数を決めるのは、主に材質と太さになります。
プラスチック製ピンは紫外線によってひび割れを起こすなど、短期間で劣化してしまうため、工事現場や、農作物の栽培などでの一時的な使用に利用されます。
一方鉄製ピンは地中に埋めると錆びていきますが、錆びることにより抜けにくくなります。
一般的にピンの直径は3mm程度のものが多く、5年程度の耐用年数となります。
一方で4mm以上のものは10年以上の耐用年数をもつ場合があり、ピンは太いほど耐用年数が長くなります。
各固定ピンの特色について、下記表にまとめましたのでご覧ください。
項目 | U型固定ピン | L型固定ピン | J型固定ピン | プラスチックピン | |
---|---|---|---|---|---|
地盤 | 柔らかい | 〇 | ✕ | 〇 | 〇 |
硬い | ✕ | 〇 | 〇 | ✕ | |
障害物 | 多い | ✕ | 〇 | 〇 | ✕ |
少ない | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
年数 | 〇 | 〇 | 〇 | ✕ |
必要な固定ピンの本数について
次に、必要な固定ピンの数について説明します。
防草シートの固定ピンは1m間隔で1本挿すのがおすすめとなります。
尚、より強度を上げたい場合は500mmに1本や250mmに1本が良いですが、必要な本数や施工費用が高くなりますので、注意が必要となります。
㎡枚に必要な本数を表にまとめましたので、ご覧ください。
※重ね分を接着剤で固定する場合は1.2掛けは不要です。
㎡数 | 必要本数 (重ね分を考慮し、本数に1.2掛け) |
100㎡ | 約120本 |
500㎡ | 約600本 |
500㎡ | 約1,000本 |
1000㎡ | 約1200本 |
1000㎡ | 約2,000本 |
上記本数はあくまで平坦な土地の場合の目安となります。
法面や木や構造物などの障害物がある場合は追加で固定ピンが必要となります。
固定ピンが刺さらない場合の対処法について
次に固定ピンが刺さらない場合の対処法について説明します。
固定ピンを打ち込む角度を変える
固定ピンは地面に向かって垂直に打ち込んでいきますが、石などの障害物があるとうまく刺さりません。
その場合、固定ピンを打ち込む角度を変えることで刺さることがあります。
角度を変えるために固定ピンを抜いた場合は、必ず空いた穴から再び打ち込むようにしましょう。
固定ピンを打ち込む位置をずらす
角度を変えても固定ピンが刺さらなかった場合は、固定ピンを引き抜き抜き、防草シートテープで穴を塞ぎます。
その後、打ち込む位置を10cmほど左右にズラした所に固定ピンを再度打ち込みます。
次にずらした位置で打ち込み、再び刺さらなかった場合は、角度を変えて打ち込みます。
それでも刺さらない場合は、再び打ち込み位置をずらして、固定ピンが刺さるまで繰り返します。
尚、何度試しても刺さらない場合は、障害物を取り除くことをおすすめします。
事前に地面に穴をあけておく
地盤が固く、ピンが刺さらない場合は、ドリル等で下穴を開けておく方法も有効となります。
ピンの長さより短めの下穴を空けておき、ピンを刺し込んでたたき込むことでうまく刺さることがあります。
ピンの種類を替える
ピンを刺す角度を変え、ピンの打設位置をズラしてもピンが刺さらない場合は、固定ピンの種類を固い地盤に対応したものに変える必要があります。
同じ種類の軸が太いピンや、鉄製のL字型ピンや釘型ピンに変更しましょう。
まとめ
今回は防草シート固定ピンの選び方について説明させて頂きました。
防草シートのピンには様々な形や素材があり、それぞれに特徴があります。
施工する場所や地盤の硬さによって、適した種類のピンを選択しましょう。
また、専門業者に依頼することで、施工時の失敗を防ぐことができるため、不安な場合は、専門業者に依頼する事をおすすめします。
久野商事では地盤に応じて選択できるように様々な固定ピンを取り扱っており、状況に合わせた最適なピンを提供することができます。
また、材料のみならず施工まで一貫してお請けすることができます。
是非、防草シートをご検討されている方はお気軽にお問い合わせください。