2023.04.18
お役立ちコラム
ホットスポット現象について徹底解説
更新日:2023年4月17日
みなさん、こんにちは。久野商事の久野です。
最近、工場や住宅の屋根の上に太陽光発電のパネルの設置が増えていることをご存知でしょうか。
再生可能エネルギーについて注目される中で、太陽光パネルのメンテナンスは手間になります。
しかし、メンテナンスをおこなわないとホットスポット現象などが起きてしまいます。
そこで今回はホットスポット現象について解説していきます。
目次
ホットスポット現象について
ホットスポット現象は、いくつかの原因により、気抵抗が大きくなり電流が流れにくくなる状態が長く続き、パネルが発熱した状態のことをいいます。
原因については、後ほど詳しく説明していきます。
ホットスポット現象の影響について
ホットスポット現象が起こるとどのようなリスクがあるのでしょうか。
①発電量の低下とパネルの故障
ホットスポットが発生すると発電力が低下するだけでなく、太陽光パネルが故障して発電ができなくなってしまいます。
通常は下記イメージ図のように、同ラインのパネルを通して電流が流れていきます。
しかし、ホットスポットが発生した場合、ホットスポットが発生しているパネルの電流は止まってしまいます。そのため、全体の発電量は下がってしまいます。
またパネルの不具合を放置していると、パネル自体の故障にも繋がります。
②火災の発生
ホットスポット現象が原因で発火し、表面温度が100℃以上となり太陽光パネルの火災に繋がります。
実際過去にパネルの火災が発生した例もあります。興味のある方はコチラからご覧ください。
ホットスポット現象は太陽光発電設備だけでなく、周りの近隣住宅などにも被害を受けます。
また、加害者になってしまった場合は、損害賠償の請求などのトラブルも起こるため注意が必要になります。
バイパスダイオードについて
バイパスダイオードとは、太陽光パネルに組み込まれたダイオード素子のことをいいます。
役割として、ホットスポット現象などによってパネルの電流が止まってしまうことを防いでいます。
イメージとしては、電流回路の迂回路(バイパス)の働きをしています。
そのため、ひとつのセルが不具合をおこしても、迂回路から電流を流しパネル全体の不具合にならないようになっています。
引用元:電気学会「バイパスダイオード」
ホットスポット現象の原因について
ホットスポットの原因は大きく分けて内的要因と外的要因にわけられます。
内的要因
まずは内的要因について説明していきます。
初期不良(ハンダ不良)
太陽光パネルは四角形のセルを銅線で接続しています。
この銅線をハンダ付けという方法で接着する際の不良が原因の場合があります。
ハンダ付けに問題がある場合は、断線状態となってしまい、電気が流れにくくなるため、ホットスポット現象がおきる可能性があります。
また、ハンダ不良は検品時の検査ではわからないため、出荷してからこのような不良が判明します。
経年劣化
太陽光パネルは、経年劣化によりパネルのセル部分がひび割れを起こすことがあります。
地震の揺れ、湿気や温度などの負荷を長い間受けることが原因で、ひび割れを引き起こすこともあります。
また、目には見えないマイクロクラックと呼ばれる小さなひびから、ホットスポットが発生してしまうことがあるので注意しましょう。
外的要因
ここでは外的要因について説明していきます。
積雪荷重による破損
本来は、雪が積もっても滑り落ちるように架台に角度を付けて設置をおこないます。
しかし豪雪の場合、太陽光パネルの上に積もってしまうことがあります。
その際、パネルが積雪の荷重に耐えられなくなり、破損してしまうことで電気抵抗が生じ、ホットスポット現象が発生することがあります。
落ち葉や鳥の糞などの汚れ
落ち葉や鳥の糞が太陽光パネルに付着することで、太陽光を遮断し電気抵抗がうまれ、ホットスポット現象をおこすことがあります。
雨や嵐などによってパネルに張り付いたままの落ち葉なども危険な要因になります。
そのため、定期的にパネルを確認するメンテナンス作業が大切になります。
太陽光パネルのメンテナンスについてはコチラで詳しく解説しております。
雑草
遊休地や使用していない田畑に設置する太陽光発電所を、野建て太陽光といいます。
その際、太陽光パネルを設置する地面は、草刈りなどの雑草対策をしないと雑草が伸びた状態になります。
雑草が太陽光パネルに触れた状態で影となったり、パワーコンディショナーといわれる発電した電力変換する機器内に侵入することで、ホットスポット現象が発生することがあります。
そのため、ホットスポット現象のリスクを下げるために雑草対策は必ずおこなうことをおすすめします。
効果的な雑草対策については、コチラで詳しく解説しております。
ホットスポットを探す方法について
ホットスポット現象が発生しているパネルはどのように探せばよいのでしょうか。
赤外線サーモグラフィーで確認する
ホットスポット現象が起きた場合、パネルが発熱するため赤外線カメラなどで撮影することで不具合が起きてるパネルを見つけることができます。
ドローンで空撮をする
ドローンを使用してパネルに落ち葉などのゴミが落ちていないか、パネルにヒビが入っていないかなど撮影しながら確認することができます。
また、メンテナンス業者によっては、赤外線カメラを搭載したドローンを扱っていますので、興味のある方は調べてみることをおすすめします。
ホットスポット現象の対策について
ここではホットスポット現象の対策について説明していきます。
発電量を毎日チェックする
ホットスポット現象が発生している場合、発電量が落ちてしまいます。
そのため、発電量を毎日確認することで、発電量の低下などの異常に気づくことができます。
しかし、ホットスポットが小さい場合は発電量に変化がみられないため、発電量の確認だけでなく、他のメンテナンス方法を併用することをおすすめします。
パネルや発電量の異常の原因が分からない場合は、パネルメーカーやO&M業者に連絡しましょう。
定期的なメンテナンスをおこなう
定期的なメンテナンスや検査を実施し、未然にホットスポット現象を防ぐことができます。
太陽光発電のメンテナンスについてご興味のある方は、コチラの記事をご覧ください。
雑草対策をおこなう
ホットスポットの原因に雑草がよく挙げられます。
雑草が伸びる時期に草刈りや除草剤や防草シートなどを使い、対策しましょう。
尚、太陽光発電所の雑草対策についてはコチラの記事も参考にしてください。
まとめ
今回はホットスポット現象について解説してきました。
ホットスポット現象が原因で火災は増えています。
未然に防ぐためには定期的なメンテナンスが必須になってきます。
ご自身でのメンテナンスの方法がわからない方や手間な方は、太陽光専門のメンテナンス業者に依頼することをおすすめします。
尚、久野商事では太陽光発電所の周辺に設置するフェンスや雑草対策として活用いただける防草シートの販売から施工までおこなっているため、お気軽にお問合せください。